スタッフ
監督:ジーン・ケリー
製作:ソウル・チャップリン、D・メルニック
脚本:レナート・ガーシュ
撮影:ジョージ・フォルシー
音楽:ネルソン・リドル
キャスト
ホスト役 / フレッド・アステア
ホスト役 / ジーン・ケリー
スペンサー・トレーシー
フランク・シナトラ
ジュディ・ガーランド
ビング・クロスビー
シド・チャリス
クラーク・ゲイブル
キャサリン・ヘップバーン
日本公開: 1977年
製作国: アメリカ MGM作品
配給: MGM、CIC
あらすじとコメント
前回の「アダム氏とマダム」(1949)を最初に知ったのが本作での断片。これでもかと自社作品の良い所取りばかりを集めた映画の第二弾。
アメリカ、ハリウッドかつて映画全盛期にMGMというメジャーな映画制作会社があった。特にミュージカルが18番で有名であったが、ミュージカルとは関係なく、演技派も揃っていて名作系ドラマも数多く作られた。そんな会社の歴史的作品群をミュージカルの二大巨頭フレッド・アステアとジーン・ケリーが老体に鞭打ちながら、歌って踊りながら紹介をしていく・・・
第1作で紹介し切れなかった珠玉の数々をこれでもかと見せてくれる娯楽断片集の傑作。
世界中で大ヒットした第1作「ザッツ・エンターテインメント」(1974)。その制作当時から、入りきれない映画が多くて、第2弾が考えられていたようである。
ただ、まったく同じでは、それこそ『芸がない』と、本作ではミュージカルではないドラマ作品も取り入れられることになった。
これが、また当時の映画ファンの日本人にとっては狂喜乱舞の対象となった。しかも戦前からの筋金入りの映画評論家たちこそ、更に感動したらしい。
何せ日本未公開作ばかりで、ミュージカルに限らず、存在だけは知っていた名作と噂された作品が数多く登場するのだから。
かくいう、自分も、名優中の名優スペンサー・トレーシーとキャサリン・ヘップバーン共演作、フランク・シナトラ特集など、そのほとんどが未公開であった作品を初見できた。
他にもマルクス・ブラザースのドタバタ喜劇、有名スターの貴重なデビュー作、ハリウッド憧れの巴里やヨーロッパ、アニメとの融合など多岐に渡る。
まして絶妙の編集で、断片ながら是非全編を観てみたいと思わせる。ある意味、消化不良にもなるのが玉に瑕か。
先ず、タイトルからして抜群であった。特に1899年生まれのアステアのラスト・ダンス作である。往年のキレなど望みようもないが、それでも本作は1976年の映画であり、齢76歳での踊り。
それだけで感涙した。兎にも角にも、自分などが生まれる前の偉大過ぎる先人たちの偉業がこれでもかと観られるのだから、小躍りし、知ってる楽曲を口ずさみながら、あっと言う間に夢の時間が流れる。
パート1とは違う至極の時間が過ごせる娯楽特上作である。