スタッフ
監督:マーク・サンドリッチ
製作:パンドロ・S・ハーマン
脚本:ドワイト・テイラー
撮影:デヴィッド・エイベル
音楽:アーヴィング・バーリン
キャスト
ベイカー / フレッド・アステア
シェリー / ジンジャー・ロジャース
スミス / ランドルフ・スコット
コニー / ハリエット・ヒリヤード
ドゥーピー / レイ・メイヤー
マニング / アストリッド・オーエン
ノーラン / ラッセル・ヒックス
キティ / ルシル・ボール
ウィリアムス / アディスン・ランドール
日本公開: 1936年
製作国: アメリカ P・S・バーマン・プロ作品
配給: 日本RKOラジオ
あらすじとコメント
フレッド・アステアの十八番であるミュージカル映画。黄金コンビと呼ばれたジンジャー・ロジャースに、珍しや西部劇俳優のランドルフ・スコットまで競演した作品。
アメリカ、サン・フランシスコ航海を終えて上陸許可が下りた水兵のベイカー(フレッド・アステア)やスミス(ランドルフ・スコット)らは、早速ダンス・ホールへ繰りだした。
ベイカーが入ったキャバレーで、いかにも真面目な女教師という風情のコニー(ハリエット・ヒリヤード)が、入口で女性単独入店不可と言われ、遅れてきたスミスに声を掛けた。彼女は妹がここで勤めているから尋ねてきたと照れた。しかしスミスは真面目で色気のない彼女には魅力を感じなかった。
一方、ベイカーは以前踊りのコンビを組んでいたシェリー(ジンジャー・ロジャース)を認め驚いた。
しかも彼女は以前、ベイカーのプロポーズを断っていたのだ・・・
アステアの珍しい水兵姿がメインの娯楽ミュージカル。
この手の王道「ボーイ・ミーツ・ガール」二組で繰り広げられる。
主演コンビはかつての恋仲。もう一方は真面目で地味なメガネ姿の女性教師と水兵。この女教師が後にどうなるのかは想像に難くないだろうが。
だが、アステア&ロジャースの作品では少し異質さを感じるだろう。
何よりも超お洒落なアステアが水兵服でしか登場してこないこと。
しかも、紺と白のセーラー服とか、作業着である上下のデニムという格好でほとんどのナンバーを踊るのだから、どうしても地味さを感じてしまうだろう。
一方のロジャースもバランスを考えてアステアと踊る場面は地味な私服。
もう一方のスコットは歌も踊りも一切しないので、やや「でくの坊」的スタンス。しかも大男で、アステアを含む他のキャストと身長差があり過ぎて、その処理に細心していると感じさせるのも、どうでも良いことだが気になった。
こう書いてくるとツマラん映画と思うかもしれないが、さにあらず。
これがどうしてコメディ的軽妙さとアステアやロジャースの個人芸や、後にTVで大ヒットする「ザ・ルーシー・ショー」(1952〜8)のルシル・ボール、第二次大戦中の兵士たちのピンナップガールの筆頭格ベティ・グレイブルなどがショー・ガールで登場してくるのも華やかで、面白い仕上がり。
しかも、ずっと地味な服だったアステアとロジャースがラストで舞うのは燕尾服にドレス。他のコンビ作と違い、衣装が地味過ぎて、幾ばくかストレスが溜まっていたのが一掃されて、鳥肌が立つほど見事に昇華される。
この場面はスティーヴ・マーティンが「ペニーズ・フロム・ヘヴン」(未・1981)で完全コピーして本作画面の前で踊るので、そちらの映画の中でも白眉として印象的。
やはり黄金コンビと感じさせる作品。