特段、観光地でもない地方。近隣県のローカル放送を見るとバーターなのか、更に違う関東圏地方局の番組が流れている。
その放送の中で、地元出身のお笑い芸人か、売れないフリー・レポーターが何てことない場所や店を紹介する散歩系番組がある。
これが妙にツボにはまり、毎週録画して追いかけるようになった。近隣他県にも旅行には行けぬストレスからだろうか。
隙間だらけのロード・サイドや思い入れ感が強く押し出された装飾品が並ぶ店内で、小奇麗なママとマスターが登場したり、テレビ慣れしない朴訥系店主が都会じゃ売れなさそうな新商品を紹介など、何とも郷愁と哀愁を感じるのだ。
実に失礼な『上から目線』なのは承知の上。それに、贅沢な悩みかもしれぬが、自分は有名観光地で生まれ育った関係で帰る地方なり、田舎がない。
かといって、この地元も『義理人情に厚い』下町でもなくなった気もする。流入者も定着し、この地が故郷になる子供たちも多い。それで、そこが故郷になる。
昭和30年代後半からの記憶があり、戦後の混乱から、オリンピックへ向けた忙しなさがあった。大人たちは単純にオリンピックを楽しみにし、不便さに文句も言わず働いていたような気もする。
そもそも単純な善人が多かった印象が強い。下町のお節介な人種。
でも、オリンピック後に加速度がついて変化していった。こちらも成長し、記憶も鮮明になり、グレー系印象から、町に色が付いて行った印象だ。
最後はバブルだったろうか。まさに狂乱の時代。自分は恩恵は受けられなかったのが残念だが、自殺なり行方不明にならずに済んだと思うか。
そんなことを呼び起こしながら見ているローカル放送。先立ては、折角建て直したのに数年前に廃校になった小学校を写していた。
木造校舎だったら民宿とかアリでも、避難所も兼ねた作りなら再利用しにくい。要はコンクリートの塊で、個性が感じられない建造物。
やっぱり、そこで考えた。学校や公民館、山をくりぬく有料道路など、地元の発展のためにと頑張ったんだろう。
でもな、どうせ推進した人らはとっくに鬼籍入りだろう。何もこれは地方だけの事象でなく、世界規模だな。
で、今、世界中で、そのツケを支払わされている気がする。今冬は寒かったし、今から今夏は暑いと、ぬかしてくれるしな。
一方で技術の進化で、映画のような火星の映像が音付きで公開された。まさしく映画の世界が現実になった。
当然、連想した。まさか火星から未知の生命体が来襲してきて人類余命も前倒し、てなことにはならないよな、と。
どの道、楽しいことは前倒しで生きてきた人生だし、あきらめも必要てか。