スタッフ
監督:ロバート・パリッシュ
製作:ジェリー&シルヴィア・アンダーソン
脚本:G&S・アンダーソン、ドナルド・ジェームス
撮影:ジョン・リード
音楽:バリー・グレイ
キャスト
ロス大佐 / ロイ・シネス
ケイン / イアン・ヘンドリー
ウェブ / パトリック・ワイマーク
ハスラー博士 / ハーバート・ロム
シャロン / リン・ローリング
リーザ / ロニー・フォン・フリードル
ランディ / フランコ・デ・ローザ
ポールソン / エド・ビショップ
精神病医学者 / ヴラデク・セイバル
日本公開: 未公開
製作国: イギリス G・アンダーソン・プロ作品
配給: なし
あらすじとコメント
前回の「死刑台への招待」(1965)では博士役を演じたハーバート・ロム。「ピンクパンサー」シリーズの上司役が有名かもしれぬが、中々どうして上手い脇役。それに同じく出演していたポーランド出身でロシア系脇役ヴラデク・セイバルも登場するカルト系SF作品。
ポルトガル 欧州宇宙探査局太陽探査に向っていた無人調査船から太陽の反対側に地球に似た惑星が存在するとの情報がもたらされた。
責任者であるウエッブ司令官(パトリック・ワイマーク)は、有人探査船派遣をメンバーたちに提案した。しかし、それには膨大な予算が必要で、誰もが及び腰でもあった。
それでも各国を説得し、ロス大佐(ロイ・シネス)と物理学者ケーン(イアン・ヘンドリー)の二名が決死の覚悟で向かうことが決定したが・・・
素晴らしい特撮と意匠の凝った内容で魅せるSF作。
日本では劇場未公開でTV放映のみだが、製作はTVシリーズながら世界中で大ヒットした「サンダーバード」(1965〜6)のジェリー・アンダーソンである。
なので、ミニチュアの精巧さは当時としては見事の一言。特にロケットを含む発射台周りの特撮は、一体、いくら予算を掛けたんだと驚いた。
その上、衣装や実際に走行する車両デザインも優れている。
ただし、壁掛け式電話機、ブラウン管TV画面やオープン・リール式テープなどは現在、見直すと笑ってしまうが。
それでも、どこかサイケデリック調だったりシャープでオシャレなデザインで登場してくる。
そのあたりは今見ても斬新だと感じた。内容も今では有名になり、他の作品でもかなり使われているので妙味に欠けるかもしれぬが、当時としては成程上手い設定にしたなと感じた。
その内容を表現するために前半と後半で、まったく同じようでありながら小物から衣装まで違和を感じさせようとこだわっているのも好感が持てる。
宇宙の神秘や、人類の自惚れと挫折、また、哲学的要素などは感じられぬが、娯楽SF作品としては好印象。
出演者もどちらかというとTV系なイメージ強いので、派手さに欠ける。ただし、特撮がそれ以上にカバーしており、予算の掛け方が上手いとも感じた。
地味というかカルト的作品だが、好きな作品。