スタッフ
監督:ピーター・ハイアムズ
製作:M・ディアマント、サム・ライミ 他
脚本:マーク・ヴァーヘイデン
撮影:ピーター・ハイアムズ
音楽:マーク・アイシャム
キャスト
ウォーカー / ジャン・クロード・ヴァンダム
メリッサ / ミア・オーラ
マトゥーザック / ブルース・マッギル
マッコム / ロン・シルヴァー
フィールディング / グロリア・ルーベン
リッキー / スコット・ペリス
アトウッド / ジェイソン・スコンピン
スポタ / スコット・ローレンス
ユーティレイ / ケネス・ウォルシュ
日本公開: 1994年
製作国: アメリカ ラルゴ・エンターテイメント作品
配給: 日本ビクター、UIP
あらすじとコメント
今回も「タイムマシン」モノで繋げる。時間軸を悪用しようとする輩には、やはり厳罰管理が必要とばかり『時空警察』が活躍するアクション作。
アメリカ、ワシントン1994年人類の念願であったタイムマシンが完成した。しかし、当然ながら今までにない犯罪も多発するようになった。それにより時空管理委員会内に秘密警察が設置されることになる。
そこに配属になったウォーカー(ジャン・クロード・バンダム)。ある朝、署に向かう途中、謎の一団の襲撃を受け、一緒にいた妻が爆死してしまう。
肉体的にも精神的にも大きなダメージを受けたウォーカーだが、何とか仕事に復帰する。そこで下った命令が、1929年のNYのウォール街に飛べで・・・
時空を行きつ戻りつしながら繰り広げられるSFアクション。
妻を殺された主人公。当然、何らかの因縁の果てだろうと推測が付く。
そこから時空を戻り、大恐慌下の29年に行くと、後に高騰する株式を安値で買い占めている男がいる。今回の取締対象者だ。
実はその男は元同僚で、しかも彼の単独犯ではない模様。彼を現在に連れ戻し裁判を受けさせるのがミッションだ。
このような展開の中、アクション・スターのヴァンダムの面目躍如とばかり派手なアクションが繰り広げられる寸法である。
ただし時間軸が行きつ戻りつするので「ややこしい」とも感じた。
確かに過去に戻って金儲けを企むとか、恥かしい過去を置換したいと思う人間は数多いだろう。
しかもタイムマシンが完成されている現状だとしたら、当然それらを取り締まる官憲も必要だし、上昇志向の強い政治家希望者までいたらどうなるか。
過去を書き換えてはならないという倫理観は昔の価値観なのだろう。
本作は観念的通俗性よりも面白さを強調させるのに、強引に過去を換える。
すると現在も変わる。なので、それが面白くないと更に過去の過去まで遡り、変更を加えるというデジャヴ・パラドックス状態。
一度ずらすと、ある程度元に戻すのに、どことどこを変更するのかしないのか、と脚本は頭をひねったであろうと感じる。
SFであるし設定と展開はかなり強引。それでも、監督がスピード感溢れるアクションを得意とする御贔屓のピーター・ハイアムスでもあり、SFアクションとしては「アリ」なのかもしれぬと喚起させる『ひねた』作品。