邂逅(めぐりあい) – LOVE AFFAIR(1939年)

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スタッフ
監督:レオ・マッケリー
製作:レオ・マッケリー
脚本:デルマー・ディヴィス、D・O・スチュワート
撮影:ルドルフ・マテ
音楽:ロイ・ウェッブ

キャスト
テリー / アイリーン・ダン
マルネー / シャルル・ボワイエ
祖母 / マリア・オースペエンスカヤ
ブラッドレー / リー・ボウマン
ルイーズ / アストリッド・オールウィン
劇場支配人 / ジョー・ギルバート
コルバート / モーリス・モスコヴィッチ
医者 / J・C・フォウラー
クリスマスの酔っ払い / トム・ドゥーガン

日本公開: 1941年
製作国: アメリカ L・マッケリー・プロ作品
配給: 日本RKO


あらすじとコメント

前回の「ある日どこかで」(1980)はタイムスリップして20世紀初頭で大恋愛するメロドラマだった。ならば、初頭とまでは無理だが、戦前製作の大メロドラマにシフトしてみる。以後に何度もリメイクされる名作の第一作。

大西洋上プレイボーイとして有名なマルネー(シャルル・ボワイエ)が、アメリカの成金大富豪の娘と婚約したとのニュースが世界を駆け巡っていた。

当の本人はニュー・ヨークに向かう豪華客船に乗船中。しかし到着まで9日もあり、独り旅は寂しいとばかりに偶然知り合った、やはり一人旅のテリー(アイリーン・ダン)に声をかけた。彼女は恋人の待つNYに向かう歌手。ゴシップ好きでもあり、有名人のお誘いなのでディナーを共にする。

当然、船内ではすぐに噂の的となる。もし、そのゴシップが、互いの恋人の耳に入ると問題があると一度だけで、以後は、別行動をとろうとする二人。

やがて船はポルトガル領のマデイラ島に寄港した。別々に下船する二人だったが、マルネーが祖母に会いに行くというので、他の船客には見つからないだろうと同行を決めるテリー。

実は、二人は既に互いに惹かれ合っていた・・・

すれ違いメロドラマの歴史的佳作。

互いに婚約者がいる二人の運命的出会いと、主人公の祖母の存在によって、二人の感情の渦が大きくうねって行く。

そして、すれ違いから、互いの人生の歯車が微妙に狂っていくという典型的な進展を見せる。

後に「めぐり逢い」(1957)としてケーリー・グランドとデボラ・カーが共演し、本作のレオ・マッケリー監督がセルフ・リメイクした。

更に「めぐり逢い」(1994)ではウォーレン・ビーティとアネット・ベニング共演で製作された。

それほど良く出来た内容で、世界中の多くの観客を泣かせる作品でもある。

何せ、素人は一生使わないであろうキザな台詞が次々登場してくる。しかし、それが愉悦の一つであるのも間違いない。

風光明媚な家で静かに終活中の主人公の祖母に、ここに住みたいとヒロインが言うと「ここは思い出を楽しむ場所よ。それにはもっと思い出を作らないと」とか、プレイボーイの主人公がヒロインに惚れるが「人生はツケを廻してくる。自分で支払いきれない程の」と自嘲する。

更にはヒロインが「貴方のことが、頭の中で一杯に、心の中で強く弾けそうになったら、会いましょう。そうね、半年後に」。

で、待ち合わせ場所が当時の世界最高峰ビル『エンパイア・ステート・ビル』の最上階展望室。何故なら天国に一番近い場所だから。

こんな応酬の後で、波乱万丈的再会劇が繰り広げられる。

しかも、NYに上陸してからの互いの思い入れとすれ違いが、実にもどかしい展開を見せていく。

どちらも相手を思いやる心から、真逆の言葉を口にするものだから胸が締め付けられるは当然。

ある意味、大人のファンタジーであり、リリシズムとペシミズムが混在するラブ・ストーリィの佳作。

余談雑談 2021年5月1日
我慢の黄金週間とか。確かに数週間前よりは人出は減っているとは感じるが、去年の初発出時より、確実に多いと感じる観光地の地元。 もう、お偉いさんや大手メディアが新たな脅しネタの数値を羅列したり、カタカナ言葉を言わず優しい日本語で何を言っても庶民