暁に帰る – RETOUR A L’AUBE(1939年)

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スタッフ
監督:アンリ・ドコアン
原作:ヴィッキ・バウム
脚本:アンリ・ドコアン、ピエール・ヴォルフ
撮影:レオンス・H・ビュレル
音楽:ポール・ミスラキ

キャスト
アニタ / ダニエル・ダリュー
アーメル / ピエール・デュクス
キース / ジャック・デュメニル
オスティン / ピエール・マンガン
ウェバー / サムソン・ファンシルベー
コミッショナー / マルセル・ドレートル
酔っ払い / フロランシー
水道屋 / テレーズ・ドルニー
パリー / レイモン・コルディ

日本公開: 1939年
製作国: フランス ベルショールズ作品
配給: 三映社


あらすじとコメント

今回も戦前製作のメロドラマにする。田舎に住む若妻が、都会で経験する大人たちの世界。時代を問わずこの様な問題はどこでも起きると思わせるドラマ。

ハンガリー、タイヤー18歳になるアニタ(ダニエル・ダリュー)とアーメル(ピエール・デュクス)は晴天の下で、村の人たちに祝福されながら結婚式を挙げた。

アーメルは若いながら、その地の駅長であるので、新婚旅行にも行けず、そのまま日常が始まった。優しい亭主だが、逆に物足りなさを感じるアニタ。

数日後、村の実力者の息子が朗報を持って飛び込んできた。何と、急行がタイヤーの駅に停車することが決まったと。これで、少しは認知度が上がると喜ぶ村民たち。

そんな折、アニタのブタペストに住む叔母が急逝し、翌日に遺言状開封が行われるので、相続権利者ゆえに至急来られたし、の電報が入った。優しい亭主に後押しされて、生まれて初めての一人旅にでることになるアニタ。

手続きさえ終われば、その日の夕方18時の列車で戻れるはずだったが・・・

新妻が都会で経験する出来事を描くシニカルなドラマ。

初めての旅で、それなりの遺産が現金で支給されるヒロイン。

列車までは時間があるので都会の街を流すと、洋服店のショウ・ウィンドウに飾ってあるセクシーな服に一目惚れ。試着だけしてみようと入店し、自分が別人になった気分になるが値段を聞いて驚く。

そこいらは田舎娘である。店員に嘲笑され、慌てて店を飛び出し駅に向かうが、タッチの差で乗り遅れてしまう。

何と、次は列車は翌朝6時発。それまで待つしかなくなるヒロイン。

さて、となると、どう過ごすかというおハナシ。

邦題だけ聞くと何やら格好良い女性のスマートな映画と思われるかもしれないが、要は「新妻の朝帰り」ということ。しかも18歳の。

村の名士のドラ息子、伯爵を名乗るキザな二枚目。酔っ払いで動きが怪しい中年男など、都会の夜には様々な人間が蠢く。

まあ、そもそもは若妻が田舎者と馬鹿にされたくないので高額なドレスを買うから問題が起きていくのだが。

しかも想定外に入ってきた遺産があるから、ドレス購入以外に気も大きくなるのだろう。

要は「成上り者」ゆえの人間的落ち度に派生する自業自得的都会の一夜。

時代性もあり、ヒロインのダニエル・ダリューはかなりのオーヴァー・アクト。それを亭主であるアンリ・ドコアンが演出する夫唱婦随映画である。

フランス映画的シニカルさも漂うが、どこか牧歌的でもある不思議なティストのドラマ。

余談雑談 2021年5月8日
案の定ですな。非常事態は続くよどこまでもで延長だと。これじゃ、昼間から飲酒できる店舗数が元に戻らない。 それに連休中は、飲酒可能なランチ店も、カレンダー通りで休業が多かった。 そんな中、小学校の後輩が営む、行きつけの町中華屋に行ったら、自分