個人教授 – LA LECBON PARTICULIERE(1968年)

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スタッフ
監督:ミシェル・ポワロン
製作:フランシス・コーヌ
脚本:クロード・ブリュレ、アネット・ワドマン他
撮影:ジャン・マルク・リベール
音楽:フランシス・レイ

キャスト
フレデリク / ナタリー・ドロン
フェルモン / ルノー・ヴェルレー
フォンタナ / ロベール・オッセン
クリスティーヌ / カティア・クリスチーヌ
ジャン・ピエール / ベルナール・ル・コク
フレデリクの母 / マルティーヌ・サルセイ
コンセルジュ / ニコール・デサリー
フェルモンの父 / ミシェル・ボアスロン
バイカー / アンリ・ランベール

日本公開: 1969年
製作国: フランス プロティス作品
配給: 東和


あらすじとコメント

「朝な夕なに」(1957)は、多感な西独の富裕層の高校生が美人教師に恋する作品。今回も多感で裕福な家庭の子息の恋模様。フランスという恋愛に寛容な国の映画だとどう変わるのか。

フランス、パリ高校生フェルモン(ルノー・ヴェルレー)は、そこそこ優秀な学生であった。ある日、授業を終え自転車で自宅へ帰る途中、超高級車ランボルギーニに乗る有名レーサーのフォンタナ(ロベール・オッセン)を見つけた。

フォンタナは信号が変わると猛ダッシュで走りだすが、すぐに次の赤信号で停車した。また近付き覗き込むフェルモン。そして渋滞に入り込んでしまい、イライラを隠せないフォンタナ。そこに追いついたフェルモンは、にこやかに「この時間帯は何時も渋滞さ。先を急ぐので、お先に」と走り去った。

数時間後、友人とお茶した帰り、同じランボルギーニを見つけた。だが、それは一方通行で逆に止まっており、エンストで動かない状況。不思議に感じたフェルモンが近付くと、中に乗っていたのは25歳のフレデリク(ナタリー・ドロン)だった・・・

年上女性に惹かれる高校生の恋模様。

富裕層系の高校生。若い家政婦と関係を持ち、友達にも平然と紹介するようなタイプでもある。方や、有名レーサーの許嫁の美人女性。

ところが、どうも秋風が吹いているようで、それを知ってしまった高校生が猛アタックをしていく。まあ、ありがちな話。

思慕の情から恋の駆け引きが展開されるが、年上女性はモテるレーサーが忘れられず拒否を続ける。

思春期特有の繊細さと、若さゆえの暴走。パリから冬のリゾート地アボリアッツとロマンティックな場所が登場して来て、フランシス・レイの甘美な音楽に乗せて駆け引きが展開されていく。

流石フランスで、それぞれの価値観が多様であり、ある意味、「大人」。そういった設定に憧れと嫉妬を覚えた日本人も多かったかもしれない。

若干、情緒不安定な25歳女性と彼女との関係性によって大人への階段を上がっていく高校生。

このあたりの人間的成長は日本人とは違う感性だなと思った。

そもそも世界的に活躍するカーレーサーを恋のライバルと標的にし、自分が勝っている部分を見いだして女性に攻勢を仕掛ける価値観は、流石フランスとも思う。

結果、翻弄されていくのは女性というのも興味深い。

物語の起伏よりも人間の機微をじっくりと描くのもフランス映画っぽいし、それを雰囲気を持った俳優たちが演じていく妙味。

大人同士の洒落た恋愛。ではなく、かといってドロドロの三角関係でもない。

実に、妙な味わいの作品。特に、日本公開時には二枚目俳優大好き女性ファンが熱狂した。

当時は、主演のルノー・ヴェルレーに、『第二のアラン・ドロン』として熱狂したものだ。

彼が出演だとヒットするので愚作も多く公開されたが、何と日本に招聘して浅丘ルリ子共演、市川崑監督によって「愛ふたたび」(1971)まで制作された。

しかし人気は続かず、数年後には忘れ去られた二枚目になった。

確かに本作品自体も、翳のある青年という印象で、決して演技が上手いとは言えないし、長く印象に残る作品ではない。

ただし、それなりの雰囲気はある作品。

余談雑談 2021年6月19日
「えッ、ど、どうしたんですか」つい先日、定期検診時のPC画面を見た内科医の第一声である。 一ヶ月半振りの成人病進捗検査で直前に採血し、そのデータが反映されている画面。すぐにデータをプリントアウトし示してきた。 「信じられない。何かの間違いじ