前に、ここで書いたかな。上で扱う映画はリスト化してあり、ダブらないように確認は取れるが、ここでの愚話は書き流し。
なので、ここでは同じ話を何度もしているかもしれない。まあ、それを含めて優しい目で読んで欲しいが。
先立ての少し涼しい午前中、いつもと違う徒歩経路で、ビール・ランチの店へ向かってみた。
途中、安くて旨い「やきとん」の店があった跡を、閉店して何年経つかな、と思い出しながら通過。
小さな店で、気難しい親父さんがひとりで営んでいた。親父さんの独特な段取りがあり、客が勝手に注文すると怒られた。個人的にはツボの店。
そこで、時々見た女性客。年の頃なら30代前半。いつも一人でカウンターに坐り、スッピンでショートヘア、首回りが抜けたTシャツを着たり、服のセンスも同世代とはちょっと違う。かといって、子育てに翻弄されて疲れた人妻の息抜きてなイメージでもない。何とも独特なオーラを発していた。
いつも食べ物は頼まず、酒だけ呑んでいる印象。ある意味、「オジサンの聖域」のような店にたった一人の女性客。
初めて見たときにピンと来た。店から徒歩10分程度にある男性用高級銭湯街に勤務する方だろうと。
確かに、男を誘うセックス・アピールを発していて、時折、男性一人客に親しげに話し掛けては、酒を奢ってもらうようだ。でも、個人的には「色気」とは違う印象でもあった。
自分も何度か話をしたが、妙に頭は悪くない印象だが、厭世感が半端ないと感じた。
他に客がいないとき、親父さんが彼女の話をしてくれた。酔い潰れたときに彼女の部屋まで運んだが、酒の空き缶しかない部屋で、少しは食べろといつも注意しているが笑うだけなんだ、と。しかも関東圏の国立大学出身で、何がどうして、こうなったのかと。
考えればきっと10年は経ったはず。今の彼女は何をしているのだろうか。
健康保険や年金の類などは、恐らく継続的に払ってはいないと推察。となると今後どうして生きて行くのだろうか。生活保護は受けらるのかやら、春だって長くは売れないよなとか、自棄からの事故死をしてるかも。他人事ながら思いが巡った。
彼女に限らず、昔からあったが昭和32年4月以降は、アンダーグラウンドになった職種。だが、確実に今でも存在している。表立ってはいないが、相当数が存在してきたであろう。そして、その方たちは、どのような人生の終焉を迎えられたのか。
でもな、職種に限らず、全体的に今の若い世代は大変かもしれない。ある程度の便利は普通だったかもしれないが、生まれてからずっと景気は悪く、バブルは良かったと上から言われ、それなりにラクして大学に入っても学校にすら行けぬ現状。
その上、不要不急の外出とか、路上飲みで感染拡大の責任世代と罵られる。ところが、お盆明け以降、東京の繁華街での滞在者動向は、中高年が若者層を超えた。まあ、それはワクチン接収増加世代ゆえの経済効果助長だわな。
誰だって色々大変かと思いつつ歩いた。ついでだ、どうせ縁はないが、もう少し遠回りして吉原の現状を覗いていくか。
昼前じゃ、何の問題も間違いもないだろうし。しかも、まだ飲む前だ。
やっぱり好きだな、不要不急。