大列車強盗 – THE TRAIN ROBBERS(1972年)

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スタッフ
監督:バート・ケネディ
製作:マイケル・ウェイン
脚本:バート・ケネディ
撮影:ウィリアム・H・クローシア
音楽:ドミニク・フロンティア

キャスト
レーン / ジョン・ウェイン
ロー夫人 / アン・マーグレット
グレイディ / ロッド・テイラー
ジェシー / ベン・ジョンソン
カルホーン / クリストファー・ジョージ
ヤング / ボビー・ウィントン
ターナー / ジェシー・カトリン
ピンカートン社の男 / リカルド・モンタルバン
町の男 / ラルフ・ヴォルキー

日本公開: 1973年
製作国: アメリカ バットジャック・プロ作品
配給: ワーナー


あらすじとコメント

大御所ジョン・ウェイン主演。やはり現代劇よりも西部劇だろう。割と晩年の作品だが、トボケた妙味のある作品。

アメリカ、テキサスとある荒野の駅で列車を待つ男たち。グレイディ(ロッド・テイラー)、ジェシー(ベン・ジョンソン)ら、5人。中には、何も知らされずに儲け話とだけ聞いて初参加した男もいる。

そこに列車が遅れてやって来た。降りてきたのは、彼らを招集したレーン(ジョン・ウェイン)。傍らにはロー夫人(アン・マーグレット)。グレイディたちはレーンが一人でないことに驚いた。

そしてレーンは話を始めた。5年前に10人の男が50万ドルの金塊を列車から盗む事件が起き、数名でメキシコ奥地に隠しにいった。だが、戻ってきたのは隠し場所を知っていたローの亭主だけで、仲間を殺したのだろうと待たされていた仲間に襲われた。そして彼女に隠し場所を教えて息絶えたのだと。

レーンはそれを奪うのではなく、何と鉄道会社に返却し、賞金5万ドルを正規の報酬として貰うというのだ。夫人もそれが夫の名誉回復になり、一人息子にも自慢できると・・・

凋落期の西部劇ながら、正統派の妙味で押してくる作品。

老境に差し掛かった不器用で頑固な西部男。

長年、友情で結ばれた仲間たちに若い新参者の計6人。そして未亡人も同行しての金塊回収。

というよりも未亡人は自分だけが隠し場所を知っているので直近まで教えない算段でもある。

そして、かつての強盗団の生き残り連中はガンマンを集めて、当然、彼らを追ってくる。そこに追撃団とは別に一人で行動する謎の男も登場。

ジョン・ウェインを筆頭に、ヴェテラン感漂うキャスティングで、いよいよ西部劇も終わりだという雰囲気が流れる。

しかも、主人公集団は皆が真面目で隠し場所を言わぬ未亡人を素直に助けるし、仲間割れもせず、逆に新参者との交流もできたりする。

どうにも、妙に背中がむず痒い。寄る年波で頑固なウェインが素直に、非を認めたり、若者に説教したかと思うと、今度は譲歩したりする。これもそれまでのウェインらしくない。

そもそもタイトルの「大列車強盗」とは、原題も含めて、何の関連性があるのかと首を傾げていると、ラストに意味が解ってくる。

何とも洒落のキツいラストで、西部劇を得意とする、それも「夕陽に立つ保安官」(1968)以降の西部劇というか、映画界自体が終わっていく挽歌的な時代に、敢えて惜別や郷愁でなく、B級コメディ的作品でこそ光った流石のバート・ケネディ監督だと唸った。

本作も確かに内容はB級だが、主役がジョン・ウェインだと誰もそう思わないだろうなとニヤリとしてしまった。

間違いなく、どこかで見た作品の寄せ集め的な内容だし、見終わって考えるとオリジナリティなどないし、役者陣も盛りの過ぎた感のメンツばかりなのだが、妙に後ろ髪引かれる印象の西部劇。

余談雑談 2021年11月20日
このところ価値観が微動中。TVよりラジオに興味が移っているのだ。 近県を含むラジオが無料で聞けるサイトの存在を知ったからである。今までは携行用の音楽プレーヤーのみで聞くしかなかったので、滅多には聴取しなかった。 それがPCから直接聴けるので