今回の都々逸。
「どうにかする気と どうにかなる気 炭の向きなど変えてみる」
冬に火鉢を挟んでいる二人。深々と寒さが流れる場所に男と女。
微妙な駆け引きの世界ですな。恐らく火鉢以外に暖房機器はないのだろう。となれば後は、人肌で互いを温めるしかない展開か。
当時なら、男がアクションを起こす。そう仕向ける女。どちらもズルいといえばズルい。でも、だからこそ、淫靡さが淀み、かといってそういう展開になれば、後々互いが苦労する。
流石に火鉢を挟んだ二人なんぞはあり得ないだろうが、今だったらどうするんだろう。じれったい展開は、そのままタイミングを外し一生戻ってこない。後で、「たら、れば」を言ったって所詮それだけの責任逃れの人生。
艶っぽい経験などないし、今更自分にはこんな流れも起きやしまい。結局、憧れは憧れで終わる。
でも、外国だとこの手の世界観はない気もする。否や、あるのだろうか。
どの道、関係ないことだ。でも、やはり憧れるな、この時代。例え東京でもコンクリートの冷たさじゃなく、自然の寒さ。だからこそ身に沁みるんだろうな。
何、もう少し待てば暖かくなるさ。