キング・ソロモン – KING SOLOMON’S MINES(1950年)

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スタッフ
監督:コンプトン・ベネット、アンドリュー・マートン
製作:サム・ジンバリスト
脚本:ヘレン・ドイッチェ
撮影:ロバート・サーティス
音楽:ミッシャ・スポリアンスキー

キャスト
エリザべス / デボラ・カー
クォーターメイン / スチュワート・グレンジャー
グード / リチャード・カールソン
ブリュン / ヒューゴ・ハース
マスタース / ローウェル・ギルモア
キヴァ / キムルシ
ウンボパ / シリアク
ガグール / セカリオンゴ
トワラ王 / バジカ

日本公開: 1952年
製作国: アメリカ MGM作品
配給: MGM


あらすじとコメント

アフリカが舞台のアクション作。「インディ・ジョーンズ」シリーズに影響を与えた、これぞ王道の活劇スリラーを紹介する。現地ロケも素晴らしい冒険譚の佳作。

アフリカ、ケニア白人観光客の猛獣狩りをガイドするクォーターメイン(スチュワート・グレンジャー)は、この地での生活に疲れイギリスに帰国しようとしていた。

そこに前人未到の奥地に宝探しに行ったきり帰ってこない夫を探しにいくというエリザベス(デボラ・カー)が訪ねてきた。要は案内人として雇いたいというのだ。当然、断るクォーターメイン。ところが、彼女が信じ難い大金を提示してくる。

しかも、それは前金であると・・・

アフリカの奥地で行方不明になった夫を探す人妻と案内人が繰り広げる大冒険譚。

元々は1885年と87年にH・ライダー・ハガードによって執筆された「キングソロモンの宝窟」と「洞窟の女王」が原作。

しかも本作以前に「キング・ソロモン」(1937)として映画化され、以後も、「ソロモン王の宝庫」(1958)、「ロマンシング・アドベンチャー/キング・ソロモンの秘宝」(1985)と映画化されている。

更に主人公の役名「クォーターメイン」はショーン・コネリーの最後の出演作「リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い」(2003)というハチャメチャ作品での主役として登場している。

つまり、それほど面白い原作と言えるであろう。確かに、本作はその中でも頭ひとつ抜けている印象がある。

アフリカのケニア、タンガニーカ、ウガンダ、コンゴで大ロケーションを敢行しており、アフリカの大地と厳しい自然、生物たちの闘争などをCGなど使用せず実際に映しだし、スタントマンを含むとはいえ人間たちがその中で演技を繰り広げるという一大叙事詩的作劇は間違いなく迫力がある。

アメリカ資本ながら、非常にイギリス映画的な大冒険物語の作劇で描かれているのも好感が持てる。

アフリカの独特な民族、風習や衣装が大自然の中に溶け込み色彩を与える。砂漠から、ジャングル、山岳地帯と壮大な大自然を背景に、訳アリ人妻と弟、そして現地に精通した案内人という白人三名が奥地へと入り込んでいく姿はまさに血沸き肉躍る活劇の王道として見応え充分。

様々な動物の群れが大暴走するシーンなど、本当に死者がでなかったのかと心配になる迫力だし、象狩りなど、実際に着弾し象が崩れ落ちるので、目をそむけたくなる。

存分に楽しめる冒険活劇でありホンモノの迫力で押してくる内容は、確かに何度も映画化されるだろうと思った。

しかもアフリカの匂いを強烈に感じさせ、サファリ旅行の気分にもしてくれる王道の娯楽佳作。

余談雑談 2022年4月9日
しばらくぶりに講釈を聞いた。今回は、ちゃんとした専門家が説明してくれたもので、大変勉強になったという意味での講釈である。 通常、自分は「講釈」と聞くと垂れるとか、述べるとマイナスイメージが浮かぶ。『講釈が多い』とも言ってたっけ。どの道、嫌々