海底世界一周 – AROUND THE WORLD UNDER THE SEA(1965年)

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スタッフ
監督:アンドリュー・マートン
製作:アンドリュー・マートン
脚本:アーサー・ヘイズ、アート・アーサー
撮影:クリフォード・ポーランド、ラマー・ボーレン
音楽:ハリー・サックマン

キャスト
スタンディッシュ / ロイド・ブリッジス
モスビー / ブライアン・ケリー
マーガレット / シャーリー・イートン
ヴォルカー / デヴィッド・マッカラム
スタール / キーナン・ウィン
ヒルヤード / マーシャル・トンプソン
ボーレン / ゲイリー・メリル
ブリンクマン / ロン・ヘイズ
葉室 / ジョージ・柴田

日本公開: 1966年
製作国: アメリカ アイヴァン・トース・プロ作品
配給: MGM


あらすじとコメント

前回の「キング・ソロモン」(1950)の共同監督アンドリュー・マートンがアフリカ大陸よりも広い『海』に材を取った作品にする。自然の驚異に畏敬の念を抱くSF作品。

大西洋上海洋学者スタンデッシュ(ロイド・ブリッジス)は、地殻変動に伴い頻発する海底地震が、やがて海底火山の大噴火や巨大地震を誘発すると推測していた。

何かしら予測できれば避難時間を少しでも稼げるのではと世界中の海底に50本の振動探知機を設置する計画を立案した。その調査と設置のために転用できる最新型の深海艇ハイドロノーツ号を手配し、生理学と薬学のエキスパートであるマーガレット(シャーリー・イートン)、電子工学のヴォルカー博士(デヴィッド・マッカラム)ら、各専門分野の5名を選出。

そして世界中の未知の深海や海域に設置活動を開始したが・・・

海底地殻調査をする科学者たちの活躍を描くSFアドベンチャー。

謎多き深海での大冒険譚。ジュール・ヴェルヌの「海底二万哩」にインスパイアされたのは間違いない設定と進行。しかもSFらしく、当時としては最新のアイディアが満載である。

海底設置の信号機は宇宙ステーションを経由してワシントンの地震センターに送信されるシステム。

他にも、調教されたイルカの名演に始まり、美しい魚群、巨大ウツボとの戦い、真っ白なウェットスーツ、設置型調査機、深海艇など、どれもそれっぽさを強調していく。

実物大の潜水艇を作り、海底パニック場面ではミニチュアとの融合でサスペンスを盛り立ててくる。

クライマックスは新たな海底火山発見の報に探知機設置に向った一行が、突然の噴火に巻き込まれて絶体絶命となる展開。

逆を言えばエキスパートばかりの学者たちが最新式予知を謳いながら、未知の海底火山の突如の出現に慌てて行動し窮地に陥るのには首を傾げた。

確かに、何か派手な仕掛けや劇的盛り上がりがないと作品としては脆弱な印象に陥るのは事実。

しかし、そこに本作の弱さがあると感じた。戦争映画の『潜水艦モノ』には良作、佳作が多い分野であるが、大自然が手では流石に対立軸がはっきりせず、人間同士の知恵比べ的サスペンスや感動ストーリィも起こりえない。

つまり中途半端な印象が勝ってしまう。それでも人間の科学的立証による進歩と、それが思い上がりをも生むという自戒の念を込めた作品ではあるので、最悪の評価はしないで済む作品。

余談雑談 2022年4月16日
3年振りの沖縄滞在中である。それにしても一筋縄ではいかないのも常態になったが。 先ず、訪問前に台風1号が発生して行き先に注目したら進路予定上に沖縄。まあ、これは数日で進路がそれた。 次が問題。今回の目的は三度のキャンセルの後、大好きな離島に