テレフォン – TELEFON(1977年)

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スタッフ
監督:ドン・シーゲル
製作:ジェームス・B・ハリス
脚本:ピーター・ハイアムス、スターリング・シリファント
撮影:マイケル・C・バトラー
音楽:ラロ・シフリン

キャスト
ボルゾフ少佐 / チャールス・ブロンソン
バーバラ / リー・レミック
ドロシー / タイン・デイリー
マリー / シェリー・ノース
ダルチムスキー / ドナルド・プレザンス
ストレルスキー将軍 / パトリック・マギー
マルチェンコ大佐 / アラン・バデル
バスコム / ジョン・ミッチャム
スターク / ロイ・ジェンソン

日本公開: 1978年
製作国: ア・シーゲル・フィルム作品
配給: MGM&CIC


あらすじとコメント

今回も冷戦下における諜報員の暗躍モノ。少しばかり意匠の変わった作品で、優秀なスタッフが揃うとこうなるかと思わせる妙味作。

ソ連、モスクワKGBがとある部屋に突入した。目的はダルチムスキー(ドナルド・プレザンス)の射殺。しかし彼の姿はなく、既に国外逃亡をしているようであった。

一週間後、アメリカのデンバーで真面目な車の修理工が一本の電話を受けたことで、急に行動を変え、軍事基地に突入して自爆した。更に二日後、今度はフロリダで民間航空のパイロットが空軍基地にヘリコプターで突入するが、基地側の攻撃で撃墜される事件が起きる。

CIA側は10年も前の極秘基地が立て続けに襲撃されたが、今では何ら意味を持たない基地なので理由が掴めず困惑してしまう。

そのころ、アメリカにKGBのボルゾフ少佐(チャールズ・ブロンソン)が秘密裏に到着し、連絡員のバーバラ(リー・レミック)と落ち合って・・・

催眠覚醒誘導でテロを行う男を追うKGBとCIAを描くスパイ・アクション。

極度の冷戦下時代にアメリカに送り込まれ、以後、普通のアメリカ市民として生きてきた50名以上の潜在スパイたち。

否や、スパイというよりも薬物洗脳された特攻隊員である。彼らはアメリカの詩人ロバート・フロストの同じ詩を聞くと覚醒し、隠し持っていた爆弾で目的地への自爆攻撃をかける。

その潜入スパイリストを持った元高官が、自国で粛清されそうになり渡米。そして昔の秘密軍事基地を爆破させていくが、理由が不明なのだ。

そんなことより重要なのが、それがアメリカ側にバレればソ連の体制への影響は甚大だということ。何せ現書記長は昔の作戦を知らないから。

果たしてエリートKGB が秘密裏に彼を抹殺しに潜入し、暗殺に成功するのかというサスペンス・アクション作。

軍事基地の派手な大爆破が立て続けに描かれ、中々の大作感でスタート。全体として妙味がある展開と進行で興味深く見ていける。

それは「合衆国最後の日」(1977)、「ダイハード2」(1990)等の作家ウォルター・ウェンジャーの原作を「カプリコン・1」(1977)やマックィーンの「ハンター」(1980)を手掛けたピーター・ハイアムズと「タワーリング・インフェルノ」(1974)のスターリング・シリファントが共同で脚本を書き、「ダーティ・ハリー」(1971)等、男性アクションを得意とするドン・シーゲルが監督したから。

つまり、これだけのスタッフが揃えば、どうしても興味が湧くし、大雑把さはあるにしても間違いなかろうと推察できようか。

結果、こちらの期待を裏切らない作品に仕上がっている。決して傑作とまでは行かないが、主演のブロンソンのKGB役は、はまり役だし、ドナルド・プレゼンスも実に不敵な演技。

更に個人的な印象ではブロンソンの愛妻で常に共演してきたジル・アイアランドが出演してないのが一番の成功だとも感じたが。

メリハリのあるアクションと巧みなストーリー・テリングで見ていける娯楽作。

余談雑談 2022年7月30日
2012年7月1日。10年前の日付だが、何かあったかと即座に思い出せる人は、ほぼ皆無だろう。 『牛レバ刺し食あたり事件』による生食禁止令施行日。つまり生食での牛や豚のレバ刺しが提供禁止になった、自分には大事なメモリアル・デーなのだ。 生レバ