第一空挺兵団 – THEIRS IS THE GLORY(1946年)

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スタッフ
監督:ブライアン・デズモンド・ハースト
製作:キャッスルトン・ナイト
脚本:ルイ・ゴールディング
撮影:C・M・ペニントン・リチャーズ
音楽:ガイ・ウォーラック


キャスト
ナレーション / レオ・ゲン
従軍記者 彼自身 / スタンリー・マックステッド
従軍記者 彼自身 / アラン・ウッド
彼自身 / トーマス・スクーリオン


日本公開: 1960年
製作国: イギリス ゲインズボロ−・ピクチャーズ作品
配給: 日本RKO


あらすじとコメント

第二次大戦でのイギリスの負け戦。ヨーロッパ戦線においての大掛かりなものは前回の「激戦ダンケルク」(1958)と今回のオランダ降下作戦だろうか。やはり上層部の甘い読みで犠牲者が続出した悲劇の作戦。

オランダ、アーネム優勢に転じていた連合軍は一挙にドイツ本土を狙おうと1944年9月17日にオランダのライン河沿いのアーネムに一大空挺作戦を敢行した。

主力はイギリス第一空挺兵団で、少し離れた場所にポーランド独立落下傘旅団が降下した。一個大隊と司令部が夜のうちに川沿いに到達するがドイツ軍の猛反撃で堤防に釘付け状態に陥った。

二日後、救援部隊が近くの森に降下するが、そこでもドイツ軍の猛攻に遭い、三分の二以上の死傷者を出し病院は満員になってしまう。

翌日、ドイツ軍は戦車を動員し、橋を渡って来て司令部を包囲し・・・

絶望的な状況に追い込まれる悲劇の作戦を描く。

ドイツ軍には反撃する残存兵力などないと踏んでいたイギリス上層部。そこで陸路を進撃してくる友軍に先んじて橋を占領し、作戦をスムースに遂行させる予定であった。

しかし、それらがすべて裏目にでてしまう。何せ、主力部隊はパラシュート部隊であり、強力火力の重装備など携行していない。それに対して相手は重戦車部隊。

火力差は、それこそ火を見るより明らかである。しかも増援部隊の失敗や、パラシュートでの救援物資投下がすべて敵側に落下し、弾薬から医薬品すべてが不足していく。

結果、彼らは見捨てられて自力で撤退を余儀なくされる運命と相成る。

この作戦は後にリチャード・アッテンボロー監督によってオールスター・キャストによる「遠すぎた橋」(1977)として再映画化された。

本作はショーン・コネリーとアンソニー・ホプキンスが出演したパートのみを描いている。

それをセミ・ドキュメンタリーとして描いていく。興味深いのはプロ俳優を一切起用せず、実際に本作戦に参加し、生還した兵士たちがすべてを再現していること。

しかも約1年後に同じ場所でロケし、効果音などすべて当時のホンモノを使用している。確かに、ドイツのタイガー1戦車の実物など貴重である。

兎に角、これでもかと悲惨な戦闘を強いられ、オランダ人の医者や看護師たちが献身的に協力してくれるが待ち受けるのは絶望しかない。

どこまで本当なのか、ある程度は宣伝用脚色も入っているだろうが、出演者は兵士ゆえ名前の公表を控えたと記されている。

何故なら1万人が投入されたが、生存できたのは僅か2000名であるので、死んだ仲間たちに敬意と哀悼を表しているからとか。

確かに演技らしい演技ではない。しかし、本物の戦闘経験者という面構えをしているのは事実。

特撮ではなく実写のみで編集しているのでリアル感は半端ない。

虚しい作戦だが、それでも必死に戦ったという賛辞を感じる作品。

余談雑談 2022年8月27日
ゾッとした二つの出来事。とある駅のエスカレーターに乗ったとき、足元の踏み台と手すりのリズムが絶妙にズレていて、手すりだけが先に進む事象に出くわした。しかも下りのときだった。 自転車のチェーンとギアと同じく、かみ合って一体化しているシステムじ