コンチネンタル – THE GAY DIVORCEE(1934年)

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スタッフ
監督:マーク・サンドリッチ
製作:パンドロ・S・バーマン
脚本:ジョージ・マリオンJr、ドロシー・ヨースト
撮影:デヴィッド・アベル
音楽:マックス・スタイナー

キャスト
ホールデン / フレッド・アステア
ミミ / ジンジャー・ロジャース
ホーテンス叔母 / アリス・ブラディ
フィッツジェラルド / エドワード・エヴェレット・ホートン
トネッティ / エリック・ローデス
ウェイター / エリック・ブロア
執事 / チャールス・コールマン
グロソップ / ウィリアム・オースティン
ダンサー / ベティ・グレイブル

日本公開: 1935年
製作国: アメリカ ラジオ・ピクチャース作品
配給: RKOラジオ


あらすじとコメント

「ザッツ・エンタテイメント」シリーズでは制作会社が違う理由で取り上げられなかった名コンビフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの黄金期。だが、前回の「ザッツ・ダンシング」(1984)で、やっとスポットが当たったので、ならばとコンビ主演第1作にする。

フランス、パリ

アメリカの芸人ホールデン(フレッド・アステア)と親友で弁護士のフィッツジェラルド(エドワード・エヴェレット・ホートン)はヨーロッパ周遊中で、これからロンドンへ廻ろうとしていた。

乗船前の税関でミミ(ジンジャー・ロジャース)のスカートが、同行してるせっかちな叔母のミスでトランクに挟まれて困っているのを見つけたホールデン。たちまち彼女に一目惚れし、即座に近付いて声を掛けるが、どうにも軽薄そうな男で閉口。

それでも何とかスカートを外し、意気揚々と連絡先を尋くのだが・・・

訳アリ女と軽薄な芸人の恋の行方を描くミュージカル佳作。

一目惚れした芸人が相手に近付こうとするが、まったく相手にされない。

確かに絵に描いた軽薄男に対しヒロインは離婚を考えている人妻。

そしてお互いに珍妙なる叔母とボンボンの弁護士の友人が存在し、当然話をややこしく掻き回していく。

その他にも途中から、人妻のニセの浮気相手を演じる自称「プロのイタリア人」やら、何とも間の悪いリゾートホテルのウェイターなど、絶妙に面白いサブキャラも登場してくる。

ミュージカルであるので、いざこざから進行し主役二人を結ぶのはダンス。しかも演出としてヒロイン役には当初、一切躍らせないという「くすぐり」演出。

ゆえにアステアにばかりソロダンスを披露させる。その演出は実に的を射ていて、やっと初めて二人で踊る場面は鳥肌が立った。

そもそもこのアステア&ロジャースは本作の前年「空中レビュー時代」(1933)で『脇役』として初コンビを披露したが、主役以上に大評判となり本作が初主演作となった。

やはり二人のシーンは他のグランド・レヴューで大勢でて来るダンサーたちとの群舞の中でも群を抜いて目を惹きつける。

それに面白いのは以降アステアがこだわった「ワンカットで自分の全身を撮れ」という撮影法ではなく足のアップや上半身のみと異なる演出があったり、集団群舞場面も白黒を意識した衣装の遊びなどアイディアに満ちている。

まだまだ映画自体の可能性が手探りの状態だとも感じるが、間違いなく名コンビ誕生を確信させてくれる。

コメディ要素が前面にでているが、エレガントで踊りに迫力を感じさせる何ともバランスの取れた佳作。

余談雑談 2022年10月29日
今年三回目の訪沖。 7月の北海道から帰京後、どこか不完全燃焼を感じ、格安7泊8日を見つけたことから端を発した旅。 出発が近付き流石にノープランというのも何だかなと思い、今回は離島ではなく一泊で「コザ」に行ってみるかと。観光地や景勝地には興味