誇りと情熱 -THE PRIDE AND THE PASSION (1957年)

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スタッフ
監督:スタンリー・クレーマー
製作:スタンリー・クレーマー
脚本:エドナ&エドワード・アンハルト
撮影:フランツ・プラナー
音楽:ジョージ・アインセル

キャスト
トランブル / ケーリー・グラント
ミゲル / フランク・シナトラ
ジュアナ / ソフィア・ローレン
ジュヴェ将軍 / セオドア・バイケル
バリンジャ─ / ジェイ・ノヴェッロ
セルマイン / ジョン・ウェインクラブ
カリエス / ホセ・ニエト
ホセ / カルロス・ララーナガ
ヴィダル / フィリップ・ヴァン・タント

日本公開: 1957年
製作国: アメリカ S・クレーマー・プロ作品
配給: 松竹、ユナイト


あらすじとコメント

ソフィア・ローレンで繋げる。豪華男優陣に挟まれる鉄火肌のスぺイン女性を演じた歴史スペクタクル巨編。

スペイン、ラマンチャ

1810年、ナポレオン率いるフランス軍に、ほぼ制圧されそうなスペイン軍。敗走の途中で全長12メートルもある巨大砲を輸送できず、遂に谷底に落として放棄してしまう。

そんなこととは露知らずイギリス海軍のトランベル大佐(ケーリー・グラント)が、大砲の譲渡許可証を携えやって来た。しかし、ゲリラ隊に拉致されリーダーで靴屋の息子ミゲル(フランク・シナトラ)から失笑されてしまう。

それでも大砲を見に行くと自分は大砲のプロであり、砲自体に問題はなく滑車や台車は修繕可能だから協力してくれと依頼。途端に目の色が変わるミゲル。もし修理可能なら城壁に囲まれた自分の故郷アヴィラを開放したいと言いだした。

しかし、そこは搬送予定の港とは正反対で500キロ近くも離れている。断る大佐だが、彼らの協力なしには運搬は不可能。しかもフランス軍は大砲奪取に血眼で、修繕運行中である大砲の在処を言わないとアヴィラの住民を毎朝10名づつ処刑するとまで宣言。

仕方なく協力する大佐だったが・・・

巨大砲を人力移動で敵陣突破させようとするスペクタクル巨編。

車輪だけで2メートルもある大砲で、飛距離は1500メートルに及ぶ。

イギリス海軍はそれを軍艦に取り付ければ向かうところ敵なしの武器になると派遣されてくる将校。当然プライドの塊であり、どこかスペインのゲリラ部隊を野蛮な集団と蔑んでいる。

確かにリーダーは読み書きも出来ない靴屋の息子だし、激情型の女性だって男勝りだ。

しかし彼らは仲間が処刑され続けるので、どうしても一矢報いたい。結果、艱難辛苦の搬送が待ち受ける。

実物大の巨砲を作ったので重量感は半端ない。急斜面を昇れば、当然下りもある。

理性的に考えるイギリス士官と感性と根性で何とかなると言い張るゲリラ隊長。恋の三角模様もあり、直情型スペイン人の野蛮さと熱情がストレートにぶつかる。

渡河や橋の爆破もあり、神の御加護と強運に賭ける、何かと神頼み的強行軍。

それでも各エピソードは常に大掛かりで人海戦術を遠景で撮ったりスケール感は凄い。巨編で2時間を越える大作というか、「超特作」であるのは間違いない。

ただし欲張り過ぎだし、製作費過多の当てつけか、はたまた「もったいない精神」から編集でカットできなかったのか、どのシークエンスも長くて途中で飽きが来る。

更には三大俳優も熱演ではあるのだが、微妙にミスキャストと感じさせるのも減点対象。

鷹揚に観れば流石のハリウッド映画。まあスタンリー・クレーマー監督作品はどれも製作費が高くスケール感を押し付けてくるのに、どうにも冗長なイメージが勝るので彼らしいとも感じるのだが。

余談雑談 2023年2月18日
三寒四温で春の息吹。こちらも、ちょっと春めいた気分になった。 少し前この欄で書いた、元は日雇い労務者の街にあったカツカレーの店。バス越しに暖簾が出ているのを見掛けたが、数日後にわざわざ出向いたらシャッタ─が下りていた件。 また夕餉用の安い惣