ありそうで無いもの。
最近のTVドラマに関してなのだが。一応、初回放送は見るようにしてるが、最終話まで見続けられる地上波TVドラマは少ない。
当然、視聴対象層に合致してないからだし、課金制のネット系オリジナル・ドラマが予算もかけ、地上波よりも面白いとも聞くが、当然パスだ。なので地上波だって頑張っているが、こちらの狭い感性には響かないものが多い。
すると昨今はドラマの内容とは別なモノに目が行くようになった。ビールやポスター、TV業界の話だと架空のドラマ番宣ポスターなどである。
架空だからスポンサー配慮が軽減でボカシよりもマシなのだろうか。昔は提供スポンサーの商品だけを映し、それ以外は名前が映らないように、わざと裏向きに置いたりしていた。
それほど視聴者や消費者よりも、金出すスポンサー様様であった。日本映画では、TV放映時に違うメーカーだったりするとビールのラベルに「ボカシ」が入った。多感な時期はビール瓶がヤラシイ性的対象物かと不思議に思った。
嘘のような本当の話だが、とある名作洋画が吹替えによるTV放送がされたときに信じ難い「忖度」が起きた。
オリジナルは、通りの反対側にいた男が友人らに気付き、手を振りながら道路を横断した際に、車にはねられた。それを友人らが駆け寄り向こう側の歩道まで運んだが息をしてなかった。
この内容がですね、反対側の歩道にいる友人らに気付いた男が二階の窓から手を振ったら落ちた。で、友人らが抱えて反対側の歩道に運んだが息をしてなかったに変更。
あり得ないでしょうが。でも、本当にそれが放送された。その映画は自分も見たから間違いない。恐らく吹替は江守徹と小池朝雄だったか。まったくフィックスしてなかったので逆に印象に残った。もしくは勝手な思い違いかもしれぬ。
そもそも映画のオリジナルを見てなかったので、実は自殺を図ったのを隠蔽したかと。ところが、さにあらず。放映時のスポンサーが某大手自動車メーカーか保険会社、もしくは双方。なので「車に轢かれる」はあり得ないということが罷り通った次第。
恐らく、以後その吹替えカット版は自分が見た深夜で再放送された以外に、関東圏ではTV放映されてないと思う。
これは忖度好きには堪らない話。しかし、今はそれよりも「それらしい」ラベルやロゴマークを創作することが増えた。そうすればデザイナーの仕事は増加だし、同業他社系への忖度も必要ないしね。
特に面白いのは、ビールやジュース、炭酸飲料系などは謎かけ的で面白い。見ている側は、どこの何味がモチーフとか想像するのが楽しくなった。それだけ内容や展開には妙味がないとの証左だろうが。
なので興味は飲みたいかとか、旨そうかとかに偏る。でも、それにすらセンスを感じるのが、斜に構える自身だ。
つまり、発注し許可を出す製作サイドのセンスも問われる。まさか、タレントの演技に限界を感じるし、脚本の展開に期待できなくラベル・デザインやセットの意匠に仕方なく賭けるとか。
特に興味を惹かれるのはビデオ屋等のありもしない映画タイトルやアニメキャラのポスター。昔、切り貼りで壁新聞的なものを作った思い出があり、著作権など関係なしで、更に好き勝手に落書きを足して面白がっていたことを思い出させる。
往年の映画ポスターも同じだった。「今世紀最大の巨編」「全米が泣いた」というのも、一体どれほどの秀作名作が存在するのかと笑って、ならば敢えて騙されてみるかと。
それに比べると隔世感がある。あちらこちらに気を遣い忖度する現代。でも、文句をつけて来るのはスポンサーではなく、「匿名の正義漢」というのも時代の変化だろうか。
個人的な暇潰しとしてのドラマ鑑賞。ならば、昔の映画でもリピートして見た方がストレス軽減かも。無くなったメーカーやラベル・デザインもあるし、更に思い出に浸れるか、