いれずみの男 – THE ILLUSTRATED MAN(1968年)

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スタッフ
監督:ジャック・スマイト
製作:ハワード・B・クライチェック、テッド・マン
脚本:ハワード・B・クライチェック
撮影:フィリップ・ラズロップ
音楽:ジェリー・ゴールドスミス

キャスト
カール / ロッド・スタイガー
フェリシア / クレア・ブルーム
ウィリー / ロバート・トライヴァス
サイモンズ / ジェイソン・エヴァース
ピッカード / ドン・デュビンス
ジョン / ティム・ウェルドン
アンナ / クリスティ・マチェット
ピーク / ポゴ


日本公開: 1969年
製作国: アメリカ ワーナー作品
配給: ワーナー


あらすじとコメント

「夕陽のギャングたち」(1971)で主役を演じた、癖あり俳優ロッド・スタイガー。彼が主演したSF映画にする。ファンタジー的要素がありそうな題材ながら、スタイガーが演じるとホラーになると感じられる作品。

アメリカ、カリフォルニアあたり

ヒッチハイクで旅を続ける青年ウィリー(ロバート・ドライヴァス)は、小さな湖で休憩しようと思い裸で飛び込んだり、たき火を起こしコーヒーを淹れていた。

そこに何やら不審な中年男カール(ロッド・スタイガー)が近付いてきた。そしていきなりコーヒーを寄こせと乱暴に言うと色々と質問を始めた。たじろぐウィリーだが、まったくお構いなしに矢継ぎ早に話しかけてきた。どうも一番聞きたい内容は、ここに来る途中でとある家を見なかったかということ。写真を見せられると、どこにでもありそうな一軒家だ。

知らないと答えたウィリーに彼は続けた。その家のポスト横には看板が掛かっている。『肌彩画』という看板だ。そこに住むフェリシア(クレア・ブルーム)を探しているんだと。

肌彩画という言葉を初めて聞いた彼は何を言っているか理解できなかった。するとカールはおもむろに服を脱ぎ・・・

全身いれずみの男が語る未来の出来事。

老ポメラニアンを麻袋に入れて旅する男。コートの下は裸で全身に彫り物が施されている。

それが主人公だ。タイトルだけ聞くとアメリカの仁侠映画かと推察する人も多かった。

しかしポスター等の図案を見ると、当時流行りだったヒッピーが彫っていそうな「サイケ調タトゥー」であり、更に意味不明であったことだろう。

だが、劇中で「タトゥー」と呼称した青年に激怒し、「イラストレーション」だと怒鳴る。主人公にとっては意味合いが違うのだ。

自らのことは多く語らぬが、兎に角、威嚇的で高圧的な中年男。首から上以外は全部彫り物が施され、デザインによって物語があると説明する。

そもそもは彫り師の女が諸悪の根源で、サーカス勤務だった自分を篭絡するように次々と彫り進めていき、今の姿になった。そして、背中の一部に空白部分があり、それを覗いた人間は、自分の死に際の場面を見せつけられるのだ、と。

原作はSF作家レイ・ブラッドベリの短編3話を集約し映像化したもの。すべて未来の出来事が描かれていく話。

今でいうバーチャル空間、ドラえもんの「どこでもドア」的でもあり、そこで描かれるのは地球世界の終末話。

どの場面も全てロッド・スタイガーとヒロイン役であるクレア・ブルーム、そして青年約のロバート・ドライヴァスが主役ら男女の子供役を演じている。

第二話だけはそこだけ登場してくる雨の惑星の宇宙飛行士が登場するが、何とも奇妙というか、何ひとつ現実味はなく、すべてが異次元、異世界の出来事のように感じた。

特に主演のロッド・スタイガーは怪演で、オールヌードに全身いれずみという姿で威圧的で暴力的に迫って来るので、何ともホラー的印象を受ける。

ただ、制作当時の未来社会での家庭内のセットなど、逆に今見てもモダンで斬新。宇宙船内の計器類とかが、でてこないのも好印象。

何故なら、フロッピー・ディスクやバーチャル・ゲームの存在までは予想できなかったであろうから。あくまで当時の技術とイメージで作られた限界も感じるが、そこに逆に人間味が浮かぶのが興味深い。

しかし、悪い意味ではないチープさを感じさせたり、周到性を排除した作風など、いかにもワーナーのSFだと確信する作り。だが、それらが妙にマッチして嫌いではない作品。

余談雑談 2023年4月8日
旅空の下での発行。 すわっ沖縄か、と思た方もいるだろうか。さにあらずで福島の会津若松に滞在中。一昨年、初めて訪問し「お気に入り登録」をポチンと押した場所。 特に印象深かったのが、馬肉を筆頭に東京とは格段に違う料金と旨さの焼肉店。再訪を願って