拳銃の罠 – THE TRAP(1958年)

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スタッフ
監督:ノーマン・パナマ
製作:ノーマン・パナマ、メルヴィン・フランク
脚本:リチャード・A・シモンズ、N・パナマ
撮影:ダニエル・ファップ
音楽:アーヴィン・タルボット

キャスト
アンダーソン / リチャード・ウィドマーク
マソネッティ / リー・J・コッブ
リンダ / ティナ・ルイーズ
ティッピ─ / アール・ホリマン
ロイド保安官 / カール・ベントン・リード
メロン / ピーター・ボールドウィン
ディヴィス / ローン・グリーン
カーガー / リチャード・シャノン
エディ / カール・ミレティア

日本公開: 1959年
製作国: アメリカ パークウッド・ヒース・プロ作品
配給: パラマウント


あらすじとコメント

今回も主役がリチャード・ウィドマークでメキシコが絡む話。とはいってもメキシコを目指しているのはマフィアのボスで、主人公の立ち位置は微妙というアクション作。

アメリカ、カリフォルニア

田舎町の小さな空港にアンダーソン(リチャード・ウィドマーク)が降り立った。10年振りの帰郷である。そんな彼には弟のティッピー(アール・ホリマン)がいて、現地で保安官助手をしている。だがアルコール依存症の上、現実逃避タイプ。

すぐに彼を認めたティッピーが何故、今頃突然戻ったのかと問い詰めた。彼らの父親は厳格な保安官でありアンダーソンとは特に確執があるようだった。その上、弟の妻はアンダーソンの昔の恋人。妻との関係も冷えているティッピーには、それも気に入らない。

そんなアンダーソンは帰宅してきた父親に空港配置の警官を外してくれと依頼する。訝しがる父親。それでも10年振りに帰郷した長男に愛憎が入り混じる。躊躇しながらも依頼を再度口にするアンダーソン。

何故なら、彼はマフィアのボスであるマソネッティ(リー・J・コッブ)を飛行機でメキシコへ逃がすためだった・・・

マフィアの顧問弁護士に成り下がった男の改心を描くアクション作。

小さな田舎町から成功を夢見てでて行き、弁護士になった主人公。しかし十代の頃、犯罪に手を染め少年院に収監された過去があり、父親が厳格な保安官でもあったことから家族と音信不通になった。

弟の方は、不良だった兄が夢を叶え弁護士になったと知り劣等感に苛まれ、結果、兄貴の元恋人と結婚したが、酒浸りで気が小さい。しかも主人公の登場により、弟の妻は心乱れた挙句、離婚を決意し町をでて行ってしまう。

そんな複雑な家庭環境をベースに、巨大な勢力を持つマフィアのボスを安全圏へ逃がすサポートというサスペンスが加味されてくる。

成程、手の込んだ設定である。そして保安官助手の弟が懸賞金目当てでボス逮捕という行動にでたことから、急転直下、主人公が正義感を取り戻し鬱憤の溜まっていたボスの確保に協力する展開。

ところが電話線が切断されており、100キロ離れた大きな町まで弟、別な保安官助手二人とでボスを護送するしかなくなる。当然、強大な組織なので行く先々での妨害が予想される。

そこからはサスペンスとアクションが次々と繰りだされていく。

背景も人のいない荒野であり、まるで西部劇の「駅馬車モノ」を想起させる。途中から弟の妻が再登場して来て、兄弟間の確執が再燃したり、仲間も減っていくわ、敵は単純に数で押してくるタイプでもないので予断を許さないし、ボスも弟は懐柔できそうだと策を巡らせる。

確かに原題の「罠」がそこかしこに張り巡らせている。そういう点では面白いのだが、主人公が弁護士のくせに銃の扱いに妙に慣れていたり、厳格な保安官である父親の行動、三角関係のヒロインなどの設定に、すべてがサスペンスとアクションのためにという強引さを感じる。

些か、脚本が策に溺れた感じもするが、製作年代を考えれば致し方ないのかもしれぬし、クライマックスで二転三転する展開などは面白い。

それでも、本来は演技上手なウィドマークが統一感に欠ける印象が勝ったり、映画の流れが寸断される編集など、監督の力量不足も目立つ。

結果、面白い設定なのに、そこまで強く印象に残らない作品。

余談雑談 2023年7月15日
未だ東京は梅雨明けしてないのか。 でも、都心で最高気温37.5℃という新記録を出した。何だか、毎年新記録更新てな印象もあるが。 これが去年なら東京全体がコロナ発症で謹慎隔離だと思いながら、歳を考えて外出制限を課している。 ビールが飲める行き