ベンガルの槍騎兵 – THE LIVES OF BENGAL LANCER (1935年)

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スタッフ
監督:ヘンリー・ハサウェイ
製作:ルイス・D・ライトン
脚本:ウォルデマー・ヤング、ジョン・L・ボルダーストン
アクメッド・アブダラー
撮影:チャールス・ラング

キャスト
マクレガー / ゲーリー・クーパー
フォーサイス / フランチョット・トーン
ストーン / リチャード・クロムウェル
ストーン大佐 / サー・ガイ・スタンディング
ハミルトン少佐 / C・オーブリー・スミス
カーン / モント・ブルー
タニア / キャスリーン・バーグ
パロット / ダグラス・ダンブリル
エミール / エイキム・タミロフ

日本公開: 1935年
製作国: アメリカ パラマウント作品
配給: パラマウント


あらすじとコメント

大スターで主演作も多いゲーリー・クーパー。今回は爽快で妙味のあるアクション作を取り上げる。これぞ冒険活劇の典型と言える佳作。

英領インド、北西部デルヒ

イギリス第41槍騎兵隊駐屯地。その部隊に所属するマクレガー大尉(ゲーリー・クーパー)は、感情的に走り過ぎる傾向があり、時折、命令違反をしてまで攻撃を仕掛けるような熱血漢である。司令官が実直過ぎるほど軍務規律にこだわるのも彼は気に入らなくて、直接喰ってかかるほどである。

昨日も命令違反をし司令官に呼びだされ注意を受けると同時に、新たに赴任する将校二名を鉄道駅まで出迎えに行くように命じられた。実にくだらない命令だと憤慨するマクレガー。

やって来たのは、どこか軽々しい印象で他人を小馬鹿にしたような態度の近衛連隊出身のフォーサイス中尉(フランチョット・トーン)と、士官学校をでたばかりのストーン少尉(リチャード・クロムウェル)。

そのひとりであるストーンが、司令官のひとり息子であったことから・・・

メリハリの利いた、実に楽しい冒険娯楽活劇の大作であり、佳作。

イギリス植民地下のインド。3億の国民を統治、助けていると自負しているイギリス軍。その中でも、最前線で戦う「槍騎兵連隊」が舞台である。

主人公は熱血漢だ。上官に喰ってかかるほど直情的で動物的。そこに、彼と似たように才能もあり、どこか優越感さえ漂わす将校と、頭でっかちなだけでまったく実戦経験のない司令官の息子が赴任してくる。

この三人がメインである。しかも各々の性格設定が見事に分けられ、それぞれの性格がまき起す騒動を手際よく捌いて行く。

監督はヘンリー・ハサウェイ。冒頭、司令官の命令を無視し、同行していた上官が死亡したことから、主人公の独自判断で防戦にでるという展開を見せる。

その戦闘場面ではハッとするようなカットの挿入による、実に緩急の付いた編集で手に汗握るアクション・シーンを見せ付けられ、以降の本作のリズムが決定付けられゾクゾクとさせられた。

ストーリィは敵対する部族群が、個々での戦闘をやめ集結し一大勢力として英軍に対抗しようとする動きを察知。さて、それにどう対応するのかという進行。

ところが、真面目過ぎて石橋を叩くような作戦しか実行しない司令官に主人公が不平不満を募らせたり、その司令官と息子の確執に巻込まれたり、更に主人公よりも腕が立ち、且つ冷静な対応ができる新任将校との喧嘩や友情が絡む実に起伏に富む展開が待ち受ける。とはいえ、今ではベタな物語ではある。

しかし、そういった分かり切った展開を先読みをさせつつも飽きさせずに見させて行くハサウェイ演出はお見事。まさにアメリカ映画全盛時代の王道の娯楽活劇である。

しかも、西部劇とは違い異国情緒溢れるインドという地で繰り広げられる一種のコスチューム・プレイ。

ただし、アメリカ映画の弱点でもある、アメリカ人が演じるイギリス系、インド系といった俳優陣の違和感はあるし、些かオーバー・アクト気味の演技。これが本場イギリスであったら、また別な妙味があったに違いないとも思わせるが、それでも、時代性は感じさせるものの、見事に面白い大作である。

合成や特撮に頼らないアクション場面は、どこか微笑ましさも感じさせるが、あくまで日本では、昭和5年に制作された、当時のアメリカ製「娯楽冒険活劇」である。つまり、今から80年以上も前の作品。

細かいことは言うまい。映画が全盛を迎えようとしていた時代の安心して見ていける活劇のお手本のような作品である。

ここで扱うので何十年振りかで再見したが、それでも鑑賞に耐えうると感じたのは、単に、こちらが懐古趣味に浸っているだけではなかろう。

余談雑談 2023年8月19日
取り敢えずお盆と台風が去った。 昔ほどではないにしろ、未だにある程度民族の大移動が起きる。幸か不幸か自分はサラリーマンや工場勤務をしたことがないので、一斉休業を経験したのは学生時代が最後。 故郷ではこの時期に同窓会が開かれたり、日本中に散ら