遠い太鼓 – DISTANT DRUMS(1951年)

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スタッフ
監督:ラオール・ウォルシュ
製作:ミルトン・スパーリング
脚本:ニーヴェン・ブッシュ、マーティン・ラッキン
撮影:シド・ヒッコクス
音楽:マックス・スタイナー

キャスト
ワイアット大尉 / ゲーリー・クーパー
ジュディ / マリ・アルドン
タフト中尉 / リチャード・ウェッブ
モンク / アーサー・ハニカット
シェーン軍曹 / クランシー・クーパー
モヘア / レイ・ティール
テイラー将軍 / ロバート・バラット
ヒフ / メル・アーチャー
タッシャ─ / グレッグ・バートン

日本公開: 1953年
製作国: アメリカ ユナイテッド・ステーツ・プロ作品
配給: ワーナー・ブラザーズ


あらすじとコメント

今回もゲーリー・クーパー主演の冒険活劇で繋げる。湿地帯で繰り広げられる死闘を安定した面白さで見せる、これぞ娯楽活劇作品。

アメリカ、フロリダ

1840年、合衆国は凶暴なセミノール族に7年も押され劣勢であった。しかも更なる武装化を進めており、彼らが武器商人と立て籠もる鉄壁の城塞が最大のネックとなっていた。その場所は奥地にあり大部隊による攻撃を仕掛けられない。

そこで海軍中尉のタフツ(リチャード・ウェッブ)に、兵士40名を引き連れ現地の別の部族と一緒に駐屯しているワイアット大尉(ゲーリー・クーパー)と共同で爆破せよとの命令が下る。白人たった一人で僻地に住む大尉を変人ではないかと不安に思うタフツだが杞憂は外れ、大尉の冷静な指揮で無事城塞爆破に成功した。

しかし、そこには若いジュディ(マリ・アルドン)を含む民間人十数名が拉致されていた。仕方なく彼女らを引き連れ、救助合流地に向かう一行であったが、敵の襲撃を受け脱出に失敗。

何とか逃げ延びるには240キロにも及ぶ大湿地帯を横断しなければいけなくなり・・・

艱難辛苦の脱出行を描く冒険活劇の佳作。

変わり者風の主人公。攻撃対象とは別の少数部族と上手く折り合いをつけ暮らしている。しかも元妻は部族長の娘で、6歳になるひとり息子もいる。

旧知のガイドも加わり、見知ったヴェテラン兵士らと城塞襲撃。無事、成功を収めるが、そこからがピンチに次ぐピンチで決死の脱出行を繰り広げることになる。

行き先の広大な湿地帯には毒蛇やワニもいるし、小さなカヌーでも作らないと渡れない場所もある。そこに執拗な原住民の攻撃が加わってくる。

まさしく王道の冒険活劇展開。しかし、主役のクーパーの頼りがいある凛とした姿には惚れ惚れした。屈折した過去があるが、それでも仲間たちを助けようとする、実に頼りになるヒーロー像。

しかもラオール・ウォルシュ演出も冴えていて、密林と沼地を広大さと閉塞感の双方を感じさせる美しいカメラ・ワークに、悠々としながらも緊張感のある編集、それらしい音楽が被さり、次から次へとピンチと静寂という緩急の付いた進行。

城塞爆破や枯草地帯を炎上させる派手さもあるし、暗闇でのナイフのみの死闘という静の緊張感漂うシーンもある。

美しい故に逆に恐怖を盛り上げる大自然、何度か登場する水中撮影の見事さ。超絶なスピード感はないが、実に入り込んで見ていけるリズム感。

ストーリィも一応、起伏に富み、ヒロインの素性やらクーパーの過去が絡んだりしての進行。

その中で光るクーパーの雄姿。脇役陣は有名役者はいないものの、ヒロインの演技よりもセクシーさを前面にだし、コメデイ・リリーフから悪役ではないが、ふてぶてしい兵士なども登場。

そういった様々なアンサンブルで進行する、まさしく娯楽の王道を行く映画でおススメできる。

余談雑談 2023年8月26日
世界的に有名な渋谷のスクランブル交差点。 その一角にある有名レンタルDVDの店。そこが10月一杯でレンタル業務を終了すると発表。 完全に一時代の終了である。以前、どの街にも個人店を含めて数店舗はあったビデオ・レンタル店。個人商店が圧倒的で、