11月に夏日復活とか。
もはや昔の季節感なり、徐々に移ろう季節なんぞという価値観は捨てるしかないか。
夏の次に秋が来るはずが、猛暑からいきなり朝晩の冷え込みで体調不全者が続出してると聞いたら、また逆戻り。『酷暑』とか『真夏日』はないからまだマシと思い込めってか。
極端な変化にも順応して行かないと生き延びていけないのか。とはいっても自分は元来が頑固で変化が嫌い。それだからアイディア重視や見た目命の食べ物も大の苦手。ところが流石の有名観光地である地元。昨今は串刺しイチゴの飴がけとか神戸牛串焼きや牛肉炙り寿司が登場してきた。
すべてインバウンドである海外観光客向けかと思っていたら邦人若者にも刺さっているとか。オジサンは驚くばかり。何故に東京の下町で『神戸牛』なのとか、輸入牛のステーキ丼とかに何ら疑問を持たず行列している。
近い将来、日本って本当は四季があったんだよと言っても、ウザイ親父の昔は良かった的な与太話と唾棄されるかもな。どの道、人気の食べ物は自分には不向きなものばかりだし、相容れないのは当然で歩み寄ろうともしないから更に無視される。まあ、それの因果で承認欲求から大袈裟に騒いで他人の気を引こうとする老人にはなりたくない。
なので笑顔があふれる難民キャンプの如しのメイン観光地から離れた場末に足が向かう。昔は特段治安が悪かった日雇い労務者の街など大好きで、秋空にはもってこいの雰囲気だ。ただ、あまりにも汚かったり味の好みも人それぞれだし、他人に紹介できる店ではないのが、逆に自分の好み。自分の思い入れと他人の味の好みは一致しないことが多かったしな。だから紹介よりも秘めて通う。
そんな店に行ったら休みでやんの。緊急避難で近隣の路地を探した。中華系を謳うカウンターだけの店を発見。これも何かの縁かと入ってみた。
コの字カウンターのみで定食系がメイン。その中で、焼肉定食をチョイス。するとニンニクかショウガと尋かれた。初めてだった。客の味に合わせる良心店なのか、それとも責任逃れかと思ったが、そこは自分で決めるのが好きだし好意的に考えた。
酎ハイやビールもあり。なのでビールを頼むと650円で何と中瓶。本来行くはずだった店は同額で大瓶だぞ。こういう違いで通うかどうかを真剣に考える。
でも通うかどうかを決める基準はあるのか。一度ちゃんと考えてみようかと思った。食べ歩きが好きで評判の店や人気店に数多く行くために一期一会で充分というタイプではない。要は新店開拓でなく通いつめるタイプだから、閉店すると落ち込みようは半端ないのも事実。
しかもコロナ禍以降、やる気が削がれたか、寄る年波か、自分の好きな店の閉店ラッシュでもある。確かにどこも30年近く通った店で、自分の体だってボロボロになってるよな。それでも未だに脂っこいものをビールと一緒に楽しむのが好きだから成人病にもなるさね。
でも、今後もいきなり閉店で涙腺が緩むことが増えそうで嫌だな。更にインバウンドも増えるんだろうな。だからメイン観光地から行動半径が拡がっているが動きやすい季節ではあるので好意的に考えよう。
それでも混雑状態下の地元を歩いている途中で大地震が起きたらどうなるんだろうと思ってゾッとした。それこそ難民キャンプ状態になるのか、新しくてきれいとか、新品が良いなどと誰もが言わなくなるのかは疑問だが。
そう考えてやっと涼しさを感じられるか。