余談雑談 2024年1月6日

年が明けた。

東京は晴天の夜明けを迎え、さて今年はどうなるかと思いつつ、混雑する前の地元の氏神様へ初詣。何せ毎年参拝者数で全国ベストテンに入る寺。それが氏神様とは有り難い限りである。

帰宅後は毎年変わり映えしないバラエティを見るが、年々芸人なりが知らない人間にばかりなるので消沈し、ならばとここで扱う作品の鑑賞と原稿書きにした。

一本鑑賞後、原稿に着手すると少し船酔いみたいな気分になった。おいおい、今年も健康不安の年明けかと。顔を上げると眼前に吊るしてあるモビールが微妙に揺れている。

そこでTVを点けた。その後、数度に渡り実に嫌な刷り込みがある機械音の「緊急地震速報」が流れ、一回は範囲か急拡大し東京も範囲内に。数十秒後確かにそれなりの横揺れが来た。

倒壊することはないだろうと窓から眼下の公園を見下すと、誰一人地震など気付かず、楽しそうに写真なんぞ撮っている。その温度差が現実。

以後、「津波警報」が発令され「大津波警報」へと変わり、画面はほぼ真っ赤な警告文字に。そこに何度も起きる余震情報が上部に表示され各局、正月特番は吹っ飛び避難を呼びかけるアナウンサーの定例文復唱と定点カメラの映像のみになる。

暫く時間が過ぎると視聴者からの投稿画像やら東日本大震災と同じく派手に延焼中の地域の空撮などの扇動的映像が流れ、遠い地域で見る人間の恐怖心を煽る何とも進歩がない手法だと閉口し、刷り込みが起きるとTVを消した。現地は停電し、逆にそんな映像を見られないだけマシかと思いながらアナウンサーの高台への避難呼び掛けだけは届いたかなと思った。

何だかなと思っていると翌日は羽田での事故。衝撃的な定点カメラからの爆発炎上映像からライブ映像の燃える機体の消火活動に変わったら、俄かには乗員乗客の安否が理解できず、もしかして内部に取り残されているのかとリアル・デザスター映画かと思った。

でも乗客にはリアル体験中なのに反射的にか故意なのか、スマホで脱出前の動画を撮影している。後に取り上げるメディアからすれば『オイシイ』かもしれぬが、ある意味、素人がそこまで行くかと恐ろしい時代に完全にシフトしたなと閉口した。まあ考えれば、それだけ冷静さが担保されたから、結果全員が無事に脱出できたのだろうが。

それにしてもこの国の何とも嫌な先行きを感じさせ、翌日は客船が転覆するか、どこかのタワーマンション最上階でパリピの乱痴気騒ぎ中に大火災が起きたら、それこそ70年代パニック映画のコンプリートと直感するから嫌な奴なんだろうな。

震災ではまだまだ行方不明者が増加中だし、イヤでも寒い避難所での生活を送る方々と面白おかしく捏造記事をアップする輩たち。ストレスを溜め込む側と発散する側。スマホで反射的に動画を撮影しアップする人々。そういうの動向が嫌なのか、正論で攻勢をかけてくる人間たち。

来年以降、年明けにノー天気で「あけおめ」などとSNSやTVで言おうものなら犠牲者が出てるのに不謹慎だと集中砲火を浴びるようになるかもしれぬ。

正月早々、誰の心にも嫌な思い出が刷り込まれる。悪魔が取り憑いた国になったのか。それとも自己責任という責任転嫁と多様性の偏向化で民度が低下したか。嫌でも、そこに夢や希望を見いだせば良いのか。もしくはそこまでちゃんと考えずに生きていくのが普通なのか。

どの道、年明けの一発目の発行からこんな視点で発信しているようじゃ、今年も自分は大したことないな。まあ神様から逆噴射のバカ者め、とマイナス過多に一年の舵が切られなければ良いけど。

本年も引き続きのご愛読いただけますよう、宜しくお願い申し上げます。

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