シーウルフ – THE SEA WOLVES(1980年)

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スタッフ
監督:アンドリュー・V・マクラグレン
製作:ユアン・ロイド
脚本:レジナルド・ローズ
撮影:トニー・イミ
音楽:トイ・バッド

キャスト
ピュー中佐 / グレゴリー・ペック
スチュワート大尉 / ロジャー・ムーア
グライス元中佐 / デヴィッド・ニーヴン
カートライト / トレヴァー・ハワード
クロムウェル夫人 / バーバラ・ケラーマン
ヨギ / パトリック・マクニー
ウィルトン / ケネス・グリフィス
マクリーン / ジャック・ワトソン
フィンレー / ジョン・ストラドリング

日本公開: 1981年
製作国: アメリカ、イギリス ユアン・ロイド作品
配給: コロンビア


あらすじとコメント

今回も老優たちの活躍を描いたもの。往年に思いを馳せ、まだまだ負けていられないとばかりに活躍する戦争アクションにする。実話を基にした手堅い作品。

インド、カルカッタ

1942年、インド洋で連合国貨物船が一ヶ月で12艘も撃沈されていた。海路に精通したスパイ網があると踏んだ英国情報部は、ピュー中佐(グレゴリー・ペック)とスチュワート大尉(ロジャー・ムーア)に調査及び妨害活動を命じた。

そこで二人は1900年から活動休止中である「カルカッタ軽騎兵隊」のグライス(デヴィッド・ニーヴン)にコンタクトを取った。この部隊は退役軍人のみで形成され、現在は民間人となり老後を楽しむ方々の集まりである。

当然、ピュー中佐らには魂胆があり、第二次大戦には参加できない誇り高き老人たちに絶好のエサを用意していたのだ・・・

史実に基づく奇襲作戦を描く戦争アクション。

インド南西部にある港だが、中立国であるポルトガル領という治外法権の港湾。そこに停泊しているドイツ商船三隻のどれかに違法無線機を積載し、近くのインド洋を通過する敵貨物船の詳細情報をUボートに送信し撃沈させ絶大なる戦火を上げている。

イギリス側も詳細は掴めず、もし正規の軍人が関与して破壊活動となると国際法違反。ゆえに、元軍人だが現在は『一般人』のジイサンたちに破壊活動を命じる極秘作戦。

爺様たちは血気盛んで、いまだに元気だぞと示す絶好のチャンス。どこかコメディかと思わせるが、いたって真面目なサスペンス映画として進行していく。

ドイツ側スパイが誰で、どのように調査し無線機積載の商船爆破をいかに実行するのか。歴史的事実でもあるので人物はほぼ実名で登場してくるし、全編をインドでロケしているので異国情緒を多分に感じさせてもくれる。

何よりも若手は三代目ジェームス・ボンドのロジャー・ムーアのみ。しかも如何にもボンド的プレイボーイ役で苦笑してしまった。

主演のグレゴリー・ペックとデヴィッド・ニーヴンは「ナバロンの要塞」(1961)以来の共演であり、ヴェテランで実力派のトレヴァー・ハワードを筆頭に、往年のイギリス製戦争映画やアクションで何度も観た顔があるぞ的俳優のオンパレードで思わずニヤニヤしてしまった。

確かに全員が年を取り過ぎていてアクションにキレなどないが、それでも嬉しくて見入った。

情報戦にアクションを絡め、異国情緒を醸しつつ一定のリズム感があり、確かにかなり鷹揚ではあるが、飽きさずに展開していく。

俳優の薹が立っているし、作戦行動に参加する船舶もオンボロで作戦自体がスムースに運ぶわけないと思わせ、それをちゃんとサスペンスに加味させていく。とは言いつつ、何ともジタバタとかゼェゼェという息切れが目立つ、実に鷹揚な進行でもある。それでいて全体的に妙な一体感があるから微笑ましいとも感じた。

この手のリズム感の映画が製作されなくなって随分と経つなと、懐かしさも思い起こさせてくれる。

余談雑談 2024年1月27日
確実に陽が伸びてきた。 しかも乾燥の所為でクリアな朝焼け。綺麗で心ときめく。と同時に、自分の強運さをも感じる。大した努力などせずに、今の所は下流老人にもならず「中の上」的に生きているから。 築60年の老朽ビルだが、出来たときから住み続け日常