ウェイクアップ!ネッド -WAKING NED(1998年)

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スタッフ
監督:カーク・ジョーンズ
製作:リチャード・ホームズ、グリニス・マーレイ
脚本:カーク・ジョーンズ
撮影:ヘンリー・ブラハム
音楽:ショーン・ディヴィ

キャスト
オシェア / イアン・バネン
オサリヴァン / デヴィッド・ケリー
アニー / フィオヌラ・フラナガン
マギー / スーザン・リンチ
フィン / ジェームス・ネスビット
調査員 / エイドリアン・ロビンソン
ケネディ婦人 / モーラ・オマリー
オトゥール / ロバート・ヒッキー
デヴァイン / ジミー・キーオ

日本公開: 1999年
製作国: イギリス トムボーイ・フィルム作品
配給: K2エンターテイメント、東北新社


あらすじとコメント

変わり者老人が登場する作品。今回はいかにもイギリス映画らしいシニカルさを前面にだしたコメディで、人間のあくなき欲望を逆説的に描いている。

アイルランド、マン島

村人が総勢で52人しかいないタリモア村。そこの住人のオシェア(イアン・バネン)は妻のアニー(フィオヌーラ・フラナガン)に蔑ろにされながらも宝くじを買うが唯一の楽しみの老人。ところが常にハズレで更に妻から嫌味を言われる日々でもある。

そんな彼はある朝新聞でこの村から高額当選者が出たとの記事に驚く。親友で妻に先立たれたオサリヴァン(デヴィッド・ケリー)にその話をして、誰が当選者か探しておこぼれにあずかろうと持ち掛ける。

先ずは村で急に羽振りが良くなった奴はいないかとか、男性とは限らないぞとか、あれやこれやと詮索し始める。ところが当選者を特定できず、くじ売りからよく購入する村人を聞き出しパーティーを催し全員を招待して酔わせて聞き出そうと相成る。呼ばれた人間らは喜ぶが、宝くじ購買者ゆえに逆にオシェアたちを疑い出す始末。しかし誰でもないことが判明。

ところが全員を帰した後に、たった独りだけ来てない人がいると判明し・・・

金に目が眩む田舎の人々の狂騒曲を描くコメディ作。

海に面したのどかな田舎の村。住民は少ないが個性的な面々ばかり。若い女性は子持ちシングルマザーのみ。

その彼女を狙って養豚業と遊び人が駆け引きをしたり、ケチで嫌われ者の老女が居たり、臨時で来ている若い牧師は信心深い人が少ないと嘆いたりしている。

その中に高額当選者がいるはずだと右往左往する仲良し老人二人組がメイン。

実はラッキーな御仁は孤独な老人で当選のショックで昇天していたと知る二人。しかし購入者が死亡だと当選無効になるので、今度は人知れず何とかしようと画策を始める。

結局、思いつくのが『成りすまし』である。その作戦を唯一打ち明けるのは主人公の妻だが、一歩間違えば刑務所行きだと嘆くのも当然。

そこに当選者確認作業として調査員がやって来て、更なる混乱が予想される展開。

何よりも妻には頭が上がらない主人公が、気弱な相棒に成りすまし老人役を命令したりするからややこしい方へ次々と転がりだす。

そんな内容をドタバタ的ではなく、実に牧歌的というか、のどかなタッチで描いていくのだが、それが閉鎖的な村での個性的な面々が少しだけサスペンスを盛り上げていく。

しかし、あくまでも『ユルく』である。だらこそのシニカルさが浮かぶのだが。一応、ストーリィも二転三転してどんなラストになるのかと予想する楽しみもある。その点ではある意味で非常にブラックである。

監督は若干34歳でCM出身のカーク・ジョーンズで本作がデビュー。そんな監督がヴェテラン俳優たちを上手く整理しながら、ちょっと斜に構えた演出で押してくる。

大作でもないし傑作でもないが、この手のこじんまりとしたシニカル系コメディは嫌いではない人も少なからずいるだろうと感じさせる小品。

余談雑談 2024年2月10日
先立て東京に雪が降った。 その翌日。成人病の3ヵ月振りの検診に行ってきた。せっかちな自分は朝一番の予約が常態化だ。最高気温は5℃で残雪もあり、またもや転んで骨折などしないように気をつけなきゃと。更にこの気温じゃ間違いなく血圧は高いよなと確信