余談雑談 2024年3月2日

やはり金はモノを言う。

東京でもないのに東京の冠が付く夢見るワンダーランドには課金すれば並ばずに楽しめるシステムがあるらしい。それに釣られて飲食店で幾らか払うから「ファストパス」をだせと言う声もあったが、どんどん具体化してきた模様だ。

経済優先に乗る。とある行列必至のラーメン屋が500円増しでそのシステムを導入したら、何と数分で完売。ほとんどがインバウンドだったとか。円安だし、異国、あちらでは自国の店では一杯2000円するくせに大して美味しくないラーメンを食べさせられるのなら、観光等の効率を考えれば本場に来て格安で優先権が手に入る。

否定はしまい。自分だってかつて同じタイプだったから。何度もイタリア訪問をし都度新しい発見やら、地元民に紹介されたご近所さん以外来たこともないであろう無名の小さなトラットリアで忘れがたい美味に出会ったり。

結果、若干ながら成長させてもらった。最後の訪問は前世紀でユーロでなくイタリア独自通貨の『リラ』であった。しかもレートは1米ドルが85円。ドルから再換金でなく直のリラのレートは腰を抜かすほどの天国で、第二次大戦で同じく敗戦したくせに、良くぞ頑張ったな日本円と誇りに思った。その時は自分も恩恵を十分過ぎるほど受けたので否定はできない。

特にハイブランドなど信じ難い低価格帯で、若い日本女性が大挙押し寄せて『爆買い』する現場をイタリアのあちらこちらで見掛けた。似合う似合わないではなく、向こうではティーンにしか見えないアジア女子が全身をハイブランドに身を包んだり、敢えてTシャツにデニム姿ながらハイブランドの大きな紙袋を抱えながら歴史ある街並みを跋扈する。

そんな若い日本女性を遠目ながら冷たい視線で見ていたイタリア人がかなりいたことを強烈に覚えている。今の自分は当時のイタリア人の如き視線で地元なり銀座を見る。

似合う似合わないではなく、一目置けとか、セレブで愚民らとは階級が違うんだぞと声高な優越感のために身にまとい歩く日本以外の方々。ただし、高級ブランドであればあるほど、育ちの良さというか、香り立つオーラが淀んでしまうから、逆に『お見事』ハイブランドと感じてしまう。

しかし、バブルを知らぬ年代なら日本人だって、その手は増殖したというか目に付くようになってきた。とある情報バラエティーで、自分としては行列系ラーメン屋には行かないけど最近はいつもタクシーが掴まらないから1000円払うから優先的に乗らせろ、当然それ専用の乗り場まで作って、と半分真顔で言ったイロモノ系タレントがいた。

優越感を1000円で感じられるからと。そんなこと言ったら、ならばオークション形式にして、もっと払うから最優先にしろとなるだろうな。しかも絶対に長蛇の列の一般乗り場の真横にVIP専用をねと理が付く。

そのために働くことは犯罪ではないし、むしろ推奨されるだろうか。そういう手合いは現金ではなくスマート決済。小銭をいっぱい持ちジャラジャラ言わせて『小金持ち』というダサいジョークは絶滅した。小銭でも金は金だろという正論だったような気もするが、重さに見合わぬが返答か。

大丈夫さ、こちとら電車か歩いて帰るからと完全なる負け犬の遠吠えで言えるし、同じ土俵で争うほどの上昇志向もない。そもそも絶対にそんなことで儲けようとかマウントを取りたいと思う奴らとは違う場末で生きているから。

とはいっても、バカなボンボンとして楽しいことは先に経験しちまったし。「太く短く」でなく、どんどん先細る人生になってはいるけど。それだって一応の経験値と見栄を張ってみるか。

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