余談雑談 2024年3月23日

芸術は秋でなくても大丈夫。

仲の良いオジサン三人で第1回目の美術館巡りに行ってきた。

そもそもは唯一車を保有している脚の悪い仲間が車でしか行けない小さな地方の美術館に行きたいと言ったのが発端。賛同した仲間と自分も参加してのこと。

今回は千葉方面として皆で調べ候補は三ヶ所。どうせならと全部廻るかということに。

栄えある初陣は世界の有名芸術家の作品が展示してある「DIC川村記念美術館」。ピカソ、シャガール、レンブラントの絵画から彫刻系など様々な『本物』に触れることが出来る。身障者への同伴無料とか配慮もあり、東京駅からの有料送迎バスもあるから、平日の朝一でもそれなりの客がいた。一ヶ所で多くの作家の作風や印象の違いを感じられ、自身の嗜好性を再確認できたのも魅力。

二ヶ所目は個人で営む「まやかし展覧会」。個性的な館主が個人的に収集したコレクションを所狭しと陳列してある場所。自分も映画グッズのコレクターでもあるので、妙に心揺り動かされたので苦笑してしまった。

三ヶ所目は「ホキ美術館」という『写実主義』のみの絵画にこだわった美術館。写真と見間違うほど細部にまで描き込んだ絵画ばかりを所蔵展示している。

確かに映像に関してはこだわりやある程度「うるさい」指摘をする性分なのだが、写真やフィルムは性質上どうしてもピントが合わない部分が存在するとも知っている。しかし、絵画となるとすべてにピントが合い、逆に気色悪いほど(誉め言葉としての)どの角度から見ても鮮明で ボケているところがない。果たして、肉眼で現物を見たとしても、同様にに見えるのだろうか。もし見えたとしても何かしら動きは発生する。それが微動だにせず眼前に存在しているという、妙な違和感。

その作品ばかりが大小取り交ぜて展示され、結果として圧倒された。期待していなかっただけに歴史上誰もが知るような芸術家ではなく、現在も活躍する作家でこれほど心揺るがす人がいると知り、自分の無知を恥じた。作家によって「肌感」「髪質」「衣装」、「ガラス」、「水」などの個別得意性が際立ち、暫く去り難がったほど。何冊か画集を買いたかったが、やはり本物を鑑賞した後では、同一サイズに収められたものでは写真に見えてしまうだろうとあきらめた。

後の楽しみは「食事」。これは地元民から観光客まで集うメニューが圧倒的に多いドライブインをチョイスしていた。午後2時近くにいったのに客が絶えず驚いた。驚きの品数と客の多さとフロア店員の少なさで、どうなるかと思ったが慣れたものだった。この店もポイント高しである。

流石に欲張り過ぎたので次回からは二ヶ所を限度にしようと。まるで子供時代のようにあれもこれもと欲張って遊び回り、自分の歳を痛感する。特に運転手の友人には酒も飲ませずに迷惑をかけたし。とはいっても彼専用の特殊車両なので、今後ともよろしくね。

次回はノンビリゆっくりと二泊で福島にある円谷英二ミュージアムから、リピートで馬肉焼肉を食べて、いつもの熊鍋と鄙びた温泉への旅。

これは芸術旅よりも食べる旅。まあ、芸術は秋に限らずだから、食欲も同様さ。

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