第2回『オジサン三人旅』+ワンに行ってきた。
今回は福島、栃木、茨城三県を二泊三日。あくまでメインは美術館や博物館めぐり。それでもどうせだからと『旨いもん』といつもの『温泉』。新旧取り混ぜて間違いない旅に、と。
今回はブラスワンの他に更に猛者が登場。一泊目が会津若松で夕食は馬の焼肉にしたら、そこだけ参加して滞在2時間で帰京する弾丸ツアーとして参加したいという友人が手を挙げた。その行動力には驚くばかり。
こちらは先ず福島の須賀川市にある特撮の円谷英二ミュージアムへ行った。市のコミュニティセンター内の一部にある無料展示で、規模は小さめ。それでも、一挙に『男の子』時代に戻りウキウキのし通し。
やはり進歩を続けるCGなりVFXとは別に、脳内派生からの具象化という手作り感は創造性を刺激された。様々な展示物は良い意味での『チャチさ』の温もりの中に人間らしさを感じさせ、それで育ってきたという事実は忘れてはいけないと痛感させられ、不便さの中の人間のイマジネーションの力強さを喚起させてくれた。
続いて、興奮冷めやらぬまま個人が建てた公園の態でもある立派な美術館で開催中の「サルバトール・ダリ展」を見に行く。絵画からブロンズ彫刻など、中々壮観。
で、会津若松まで行き夕食は馬肉焼肉。弾丸参加者と合流し年甲斐もなく肉尽くしで未だこれだけ食べられるかと嬉々とする。皆、堪能したが、弾丸参加者はどうやら飲み足りなかったらしく帰路の新幹線で缶ハイボールを持ち込んだと。それでも乗り越さずに帰ったのだから大したもの。何だかなと思うが、流石自分の友だちだ。
翌日は朝8時に出発。会津が生んだ木版画家の斉藤清ミュージアムに向う。そこは道の駅に併設された場所なのであまり期待してなかったが、思いの外予算をかけた建物と優れたデザイン性を感じさせる造りで目を奪われた。知らなかったからこその「知る歓び」と知的好奇心が再点灯した。
その次が、これまた別な道の駅と隣接する「からむし工芸博物館」を訪ねる。昭和村というバイパスが出来るまでは冬場は孤立した場所で、そこで長く継承されるイラクサ系の茎から作る生地で超高級な伝統工芸品の紹介と展示がある場所。ガサガサする手触りで硬い麻というイメージ。ただし、超高級品で繊維となる糸100gで1万円もする代物。
文化を根絶やしにしないよう保護されているが、やはりどこか閉鎖的な空間での一子相伝とまではいかないが数少ない継承者で作られている模様。ある意味、限界集落的印象も受けた。
二ヶ所を見学し、栃木のいつもの温泉地へ向かう。ただし、一名が都合で明朝朝早く帰京。なので、彼を駅まで送りがてらこちらもそのまま茨城県水戸の県立近代美術館へ。
そこでは県出身者がメインの常設展示を見るだけの予定だったが、偶然石岡瑛子という資生堂宣伝部員から西武系百貨店PARCOのCM、渡米し舞台や映画衣装まで手掛けた人の特別展示もあった。
それが素晴らしかった。1970年代という変貌の時代を尖って駆け抜けた宣伝の数々を懐かしく鑑賞し、感慨に耽った。
結果、満腹の旅になった。道中ずっと運転してくれたのは脚が悪く一応自分専用の特殊車両になっている車の持ち主。同じ個所に何度も癌を患っているが、奇蹟的に平然と生き延びている仲間。実に頼りになり、有難い存在だ。
まあ、休憩するPAには優先駐車スペースがあるし、各美術館も本人無料の他に付添い者一名が無料というサービスもあるのでフル活用。ただし、やはり全行程の運転は負担だろう。
でもさ、こちらは車を持ってないし、免許証は身分証明専用カードと化している。つまり、これからもよろしくねが前提。
さてさて次回はどこの美術館に、だな。