秘密大戦争 – THE DIRTY GAME(1965年)

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スタッフ
監督:T・ヤング、クリスチャン・ジャック、カルロ・リッツァーニ
製作:リチャード・ヘイルマン
脚本:ジャック・レミー、C・ジャック、E・D・コンチーニ 他
撮影:ピエール・プティ 他
音楽:ロバート・メリン

キャスト
ブルース将軍 / ロバート・ライアン
クーロフ大佐 / ヘンリー・フォンダ
ペチャトキン / ピーター・ヴァン・アイク
ラランド / ブールヴィル
デュポン / ロベール・オッセン
モニーク / アニー・ジラルド
フェラーリ / ヴィットリオ・ガスマン
ナタリーア / マリア・グラシア・ブッチェラ
キャラハン / マリオ・アドルフ

日本公開: 1965年
製作国: 米、仏、伊 アイチベルグ・フィルム 他作品
配給: 松竹映配


あらすじとコメント

今回もスパイものにする。前回はアメリカ人がイギリスで巻き込まれる話であったが、それ以外の西側である米、仏、伊各国のスパイを描くオムニバス映画。

イタリア、ローマ

イタリアの情報将校フェラーリ(ヴィットリオ・ガスマン)は、ソ連の殺し屋ペレゴに瓜二つなことから彼を殺害。そして何喰わぬ顔で彼に成りすまし敵組織に潜入した。ミッションはソ連の高名な科学者の誘拐である。

途中で何度か危機が訪れるが、科学者を睡眠薬で眠らせて棺桶に隠し葬儀の列として移送することにした。

それを察知した敵側も奪還のための強硬策にでて・・・

東西冷戦下の西側諜報活動を各色で描くオムニバス。

第1部はイタリアの監督による科学者誘拐作戦。

第2部がフランス制作でアメリカの新型潜水艦破壊計画を知ったフランス諜報部がヴェテランをアフリカに送り込み、現地の銀行家の協力を得て情報収集と阻止活動を行う。メインは海中での水中銃アクションで同年に製作された「007サンダーボール作戦」に酷似しているのが面白い。

第3部はアメリカ製作のテレンス・ヤング監督によるもので潜入スパイであるアメリカのヘンリー・フォンダが重要機密を持ち亡命を装って西側に戻るが、敵はその上を行っていて潜伏先ホテルの一室で孤立無援の戦いを強いられるというシニカルな話。

どれも30分程度の作品で全シークエンスをつなぐストーリー・テラーとして登場するのがロバート・ライアン。器用な役者であり、悪役から哀愁漂う渋い役までこなす実力派。そんな彼が細かい演技を披露しつつ、妙に格好付けた態なので苦笑してしまった。

3人の別監督が各々の国の活動を描くのは「史上最大の作戦」(1962)と同じ方式ではあるが、あちらでは編集で上手く同一作品として確立させていたが、本作は完全に各監督の好き放題に撮らせており統一感はまったくない。それを無理に継ぐためのライアンの大袈裟な小技的演技なのかもしれないが。

各パートの出演者たちもそれなりの顔ぶれを揃えているので妙味はあるが、何せ監督の好き放題の印象が勝るので毛色の違う短編映画を見せられているよう。

どれもつまらなくはないのだが、やはり脂の乗っていた時期のテレンス・ヤングの手慣れた、だが、緊張感を伴う話が良く出来ている。

ヘリコプターとか海中のアクションといった他のシークエンスとは違って派手なアクションがなく、ホテル客室内という静かながら緊張感を持続させる演出は流石にイギリス映画出身らしく地味ながらイヤらしさを感じさせる。

全体としては当然のことながら統一感に欠け、音楽も妙に扇動的で苦笑した。どのシークエンスもそれなりの金を掛けて一本づつ製作すれば良かったとも感じさせる、どこかダイジェスト版的印象の作品。

余談雑談 2024年6月8日
戦争でも始まるのかね。 全国の小学校から二宮金次郎の銅像が撤去されているらしい。「金属回収令」じゃあるまいし武器弾薬不足改善のための供出かよとツッコミを入れたくなる。 現代の教育方針にそぐわないからなのか、子供の労働力推奨になるんだろとか、