ノロノロでも動くことは動く。
今回の台風。三日ぐらい前と違う進路で進んで来て予想が難しいとどのTVでも予報士が言っていた。それも迷走型で、まるで人生の如しと感じる自分。
相手は自然だ、人間なりAIの計算通りにはならない。しかも災害が絡むから問題だ。とはいいつつ自分には甚大な被害は及ばないだろうと多寡を括っているのも事実。
身勝手御免の人生。それでも困るのは雨でも嵐でも飲食に出掛けるタイプの自分は先方の飲食店が急遽臨時休業とかになること。命懸けとは言い過ぎだが、それでも無理して行ってやってなかったら最悪。
天気予報は当然としてワイドショーも台風一色の割には、自室の窓から外を見ると晴れていたり少し降っては止むの繰り返し。では、どの程度の距離の店まで行くかと逡巡。予報が刻々と変わり、東京への影響が遅れる。
通常なら徒歩圏内の店だが30分歩いて、それこそ臨時休業なら泣きたくなる。何せ、現在はそこ一軒のためだけの道行きで、すぐ近くに「潰しのきく店」がなくなったから。
要はわざわざ行ってダメだと、かなり離れた別方角の店を選定し直さなければならない。結局、また徒歩で最寄り駅かバス停まで歩いて別店へ移動しなければならないのだ。ましてこの台風の不安定な天候だし。
そういう時は高確率でバイオリズムの低下時で別店も軒並み休みなことが多い。妙に危機察知能力が発動し、大体当たる。特に『嫌な予感』だけは高確率で。
だからギャンブルはしないのだ。儲けの有無が発生することで冷静なる直感が鈍ると思うし、イチかバチかとそれなりの勝負で勝つと、小さな数多い不運避けが減ると思うから。まあ、気が弱いとか、心が狭いのかもしれぬが。
ならばと始めから絶対に営業している店目掛け地下鉄に乗って飲みに出向いた。流石に連日の報道で通勤らしい日本人がまばらにいる程度で、後はインバウンド系。
折角の来日だから時間を無駄にしたくないのだろう。大きなキャリーケースを引き摺り、小さな子供らを連れての観光。
そんな中、こちらは飲酒目的。通常より人が少ないのは好都合だしと見上げるとそれなりの路線が大雨や事故で大幅な遅延などと車内ビジョンで流していた。確かに東京は横に広く、その時は西部方面の路線がメイン。人口が多い方面でもある。
目的店へ着くと、やはり客はまばら。「こんな日でも来るんだ」と苦笑いされる。そっちこそ休まないんだと返す。「一応、予約が入ってるし、明日以降も何日前までにキャンセル連絡すればいいか」と電話が来ると。自分のように天気に関係なく飲み会開催か。
まあ、無断キャンセルよりはマシですがね。やはりその手はいるのかと尋くとそれなりの数はあると。ここでも人の劣化を感じる。
何だかんだと嫌な気持ちを喚起させられる。そんな天気でも出向いたから、運がバランスを取りやがったのかな。確かに空いてる電車に空いてる店内で、妙に深呼吸したくなったしな。ならば受け入れるか。
まあ、台風はノロノロだろうが迷走しようが、いずれ熱帯低気圧に変わり消滅する。その手の人間も一緒に連れてってくれよと念じてみるか。ある意味、災害だし。