真夏の夜のジャズ – JAZZ ON A SUMMER’S DAY(1959年)

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スタッフ
監督:バート・スターン
製作:ハーヴェイ・カーン、バート・スターン
脚本:アーノルド・バール
撮影:コートニー・ヘイフェラ、B・スターン、レイ・フェアラン
編集:アラム・アヴァキアン

キャスト
彼自身 / ルイ・アームストロング
彼女自身 / アニタ・オディ
彼女自身 / マヘリア・ジャクソン
彼自身 / セロニアス・モンク
彼自身 / ダイナ・ワシントン
彼自身 / ジェリー・マリガン
彼自身 / チコ・ハミルトン
彼自身 / ジョージ・シアリング
彼自身 / ジャック・ティーガーデン

日本公開: 1960年
製作国: アメリカ ギャラクシー・アトラクション作品
配給: 東和

あらすじとコメント

有名ジャズマンのルイ・アームストロング。まさしくジャズ伝道師として多くの映画に出演してきた。今回は少し目先を変えて彼も出演したジャズ・フェスティヴァルのドキュメンタリーにする。多くのジャズマンが参加し、様々な演奏スタイルが楽しめる作品。

アメリカ、ロードアイランド

1958年、この地のニューポートで第5回のジャズ・フェスティヴァルが催された。

ルイ・アームストロングを筆頭に、女性シンガーのアニタ・オディ、ダイナ・ワシントン、プレーヤーではソニー・ステット、ジョージ・シアリングからロックン・ロールの創始者の一人と呼ばれたチャック・ベリー、黒人霊歌のゴスペル歌手マヘリア・ジャクソンなどが登場する一大イヴェント。

当然、多くの観客が詰めかけて・・・

4日間行われたジャズ・フェスティヴァルを描いた記録映画の佳作。

当時大流行していた音楽ジャンルの「ジャズ」。そのフェスを追った作品で同時期に開催された「アメリカズ・カップ」というヨット・レースの模様も挿入される。

音楽好き、特にジャズ嗜好者には堪らない作品でもある。何せ、多くの映画にでたルイ・アームストロング以外はレコードでしか聞いたことがない憧れのジャズマンたちが実際に演奏する姿が映しだされるので鳥肌モノだったに違いない。

しかもジャズといっても様々な演奏法があり、その上、プレーヤー自身の個性が際立つ奏法だ。ただし、じっくりと演奏者を淡々と映すのではなく、ヨットレースや観客たちの模様がカットバックとして挿入され妙な臨場感もある。

何とも興味深いのが観客たちは思い思いのラフな格好で寛ぎながら音楽を楽しんだり、踊ったりするのだが、ジャズメンは全員がスーツ姿なのだ。

これには驚く。フリーで破天荒なイメージがあるミュージシャンだが、夏の外気の中スーツに身を包み、にこやかにそしてホットに演奏していく。

不良の音楽とも呼ばれてきたジャズだが、誰一人裸になったり、ラフなシャツ姿でトランス状態に陥って盛り上げたりしない、いかにも『大人の嗜み』てな雰囲気なのだ。

監督は写真家のバート・スターン。マリリン・モンロー最後の写真集を撮ったりした人物で、何ともシャープでスタイリッシュなタッチで様々な角度からフェスが紡がれていく。

全体を通してプレーヤーたちのホットな演奏や観客の盛り上がりを、逆に一貫してクールに描いていくスタイルが心地良い。

数人によって撮影された膨大なフィルムを絶妙に、まるでその画像自体が音楽を一緒に奏でているような心持ちにさせられる編集もお見事。

何せ、現代の「データ録画」ではなくフィルム撮影。簡単に消去したり上書きできない代物。どれほど膨大なフィルムを消費し、且つ編集時には、そこに音声を被せてリズム感を生みだす。今とは違う労力があったに違いない。

この手のドキュメンタリーとしては出色の出来といえる作品である。

余談雑談 2024年9月14日
このところ妙に鼻に付くことあり。 酷暑が常態化した日本。それでもインバウンド客があちらこちらに押し寄せる。8月のヴァカンス・シーズンも終わったが、逆に今月に入ってから先月よりも増加した印象を受けるのは気の所為だろうか。 それとも同時期的サマ