己の老化とか、劣化とか。
ここで扱う予定の作品は一応、発行予定の順番通りに再鑑賞して原稿を起こすようにしている。あまりにも昔の鑑賞過ぎると勝手な脳内変換で間違いを書いてしまうから。寄る年波で冷静よりも思い込みが優先する自分。
なので一応、書いて発表しても恥ずかしくないようにと留意もしている。自分が「つぶやき系」とかに手を出さないのは酔った勢いで発信したものは消えずに、後になってあれやこれやと揶揄されると知っているから。
「デジタル・タトゥー」とも呼ばれるらしく、それを掘り起こすのが好きな輩もいるようだし。で、本能的で衝動的な行動は後々まで残る。
自分は、人間は『性善説』ではないと思っていた方が間違いない、と確信していることもある。最悪とは言わぬが、よろしくない先を見越して言動する方が自分の負う傷は浅く、多少はマシだろという価値観からだ。一応の防御策だと。
そんなつもりじゃなかったとか、自分の脳ミソの状態や出来具合を考慮せずに、あうんの呼吸とか、行間を読めと先方に要求しているのと同じ。
つまり自分は一か二割だけ妥協なり譲歩するから、後は全部相手に要求し、こういう時は『お互い様』と言うんでしょ、と。五分五分が基本だと思うのは偏った価値感か。もしくは、深く考えず嫌なことは全部を相手にやらせるという思考。
まあ、人はそれぞれですか。なので自分は自分の価値観で発行している訳だが、発行方法は上記の通りで再鑑賞、原稿書きで今の自分の状態での発表。
ただ、順番通りだと自分の中で連続性をイメージし誘導的な表現をすることもあり、あくまで作品毎の独立性を考えて文章を変えたりもする。
とは言いつつ順番を無視し気分転換に別系統を観たいと思うと鑑賞し、先の順番に入っていれば紹介文まで書くこともある。それをここ専用の保存ボックスに放り込んで保管。
で、少し前のこと。順番に組み込んである映画を鑑賞して原稿でも書こうと思い、自分で録画やダビングしたリストを見たらその映画を持ってないじゃないか。写真用資料はあるので、恐らく近くのレンタルDVD屋には在庫があり、そこで借りる予定だったのだろうと推測。
しかしレンタル屋は閉店している。となると嫌でもネットで中古DVDを買わないといけないので最安値を探して購入し、鑑賞。すぐに原稿越こし。
一時間ぐらいで第一稿として書き上げ、タイトル名をつけて保存しようとしたら『上書きしますか』と出た。「?」が付き、保存してあるテキストを開いたら、何と既に鑑賞済みでちゃんと原稿が仕上がっていた。
絶望的な気分になった。恐らく、この10年以内にレンタル鑑賞し、先行きのために書いたことすら忘れてたってこと。じゃ、中古DVDまで買ったことは無駄遣いで、見た記憶さえ失っていたということかよ。それが自分の現状。
確かに以前は、日に二、三本観て原稿に起こしストックしていた時期もある。何を観て書いたかは覚えているはずだった。遂に頭の引き出しが一杯で入らなくなったのか、と落ち込んだ。
まあ、単に整理不足なだけでプリントアウトしてある発行順番表に「原稿済」と赤ペンでもつけていくしかないのかね。数えたら100本以上ストックあるしな。
それに、まだまだ行けるとぞと思い込み、今後途中で組入れたい映画はないかと探し、それが10本入ボックスセットで格安で出てると躊躇いなく手をだす。ついでにその中で更に扱いたい映画はないかとスケベ心が疼くから興味ある未見作も増える一方。
と思いつつ、立ち止まって考える。そうそう「つぶやき系」と同じ心情で、一度深呼吸。
おいおい原稿書いて保存しても最遅紹介作は一体何年後の発行分なんだよ、と。
おっと、これは絶望じゃないよな。