余談雑談 2025年6月7日

仲良しオジサン三人旅。

前回は茨城の大洗方面だった。今回は群馬県にある陶磁器系の博物館に行き、宿泊は勝手知ったる奥日光の鄙びた温泉地。

しかも同一温泉地に二泊である。今回のメンツも含め、他の数名で何度も行ってる超お気に入りの場所でもある。

宿も定宿でロッジ風佇まいで古臭く、誰を紹介しても素敵だと喜ばれる類ではないが、室内と半露天風呂があり泉質が誠によろしい。夕食は別棟の囲炉裏が並ぶ食事処で、自ら炭で焼く串焼き四本が付くという贅沢。なのに格安。

自分の性分からすると、直接の知り合い以外には絶対に教えたくない宿なのだ。格安なのに連泊するとちゃんと夕朝食の内容が変わるのも流石である。

そんな温泉地で別の楽しみが「熊鍋」。完全予約制で安い上に旨いので全員が虜になる鍋を小さな食べ物屋で楽しむ、それが完璧なルーティンであった。

ところが熊鍋扱い店の猟師兼店主が体調を崩し山に入れなくなり、そこで食せなくなったので少し間が開いていた。やはり、熊鍋がないと些か寂しいのだ。今年も電話で確認したがないと返答された。

以前、それを書いたら大学時代の同期兼読者の友人から、仕事が一段落したから「熊鍋」と温泉に行きたいと連絡を貰った。

なので自分は当然として仲間内のためにも、同温泉地内で熊鍋を提供する宿を新規開拓しなきゃな、と考えた。

三軒ほど発見したが、今回同行するオジサン三人旅の一人は両松葉杖使用者。つまり、極端な段差や和風トイレが利用不可なので、猟師が営む小さな民宿系は宿泊不可と考えた。

残るは一軒だが、熊鍋や鹿刺しが付くコース料金は定宿の二倍という高額。仲間に告げると、それでも一度は行こうと快諾を得て今回は試しで一泊し、二泊目は定宿にした。

年齢もあるだろうし価値観の共通性もあろうが、他の仲間内を考えても特段の観光地には興味がなさそうなメンツ。

夢の国系テーマパークに親子何代でも一緒に通い、TVやネットで紹介される人気観光地には楽しさだけを求めて行き、勝手に動画などを廻して楽しむ人種とは完全に価値観を異にする。

住人に対しては失礼だろうが、自分的には人が普通に住んでいる雰囲気が漂うのだが、やがては限界集落化していくのだろうという、妙なセンチメンタルな旅情が掻き立てられる場所が大好き。

決して高倉健やルキノ・ヴィスコンティ監督のような『滅びの美学』ではないが、失われていくものに執着してしまう。

何故なら自分が生まれ育ち、今でも他に住んだことがない故郷が超有名観光地となり、自分も含め魂を売ってしまい、しまったと痛感しているから。

今回は熊鍋付きの新規宿に期待である。もし、そこが気に入れば今まで以上に高額になるが、他の仲間や大学の同期に紹介できるかもだ。

当然、自分が毎回同行という理が付くが。

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