余談雑談 2025年11月1日

温泉から福島へのオジサン三人旅。

仲間たちに見送られて先に出発。かつては逆に来た道を北上して会津若松を目指す。

栃木から福島へ入っていくと、何とはなく地域によって差があると感じる田舎の家並みを通過しながら目的地へ。

馬肉焼肉が5時からの予約だったのでランチはパスして県立博物館へ。

考えればいつも美術館であり博物館は初めて。紀元前の発掘物から現代までの出土品や福島の歴史を時代ごとに展示してあった。

特に意匠が凝っていると見入ったのは、出口付近に造られた大きなジオラマ模型。幕末の戊辰戦争における「会津戦争」を説明するための展示物。

若松城をベースとする当時の町全体の大きな模型に、数々の色別照明をピンポイントで当て、何がどうなって落城していったかのナレーションが被さり、とても分かりやすく時系列で表現していたので驚いた。

この手の照明による、ある種ショーアップされた展示法は初めてだったから。映像とは違うが、俯瞰で見る巨大模型劇はサスペンスと切迫感が伴い興味深かった。

夕餉は馬肉焼肉。慣れているとはいえ、種類を多く食べようと一人前づつ頼んだら一皿に4枚が多い。こちらは三人で当然各皿一枚づつ残り、何と年甲斐もなく一々じゃんけんで決めるという愚行で盛り上がる。

翌日は須賀川市の一度訪ねた円谷英二の博物館へ。市民センターの一部分にありスペースは小さい。

そこから初めて行く「特撮アーカイブセンター」へ。しかし、何故こんな何もないところにと不思議に思ったが、そこも市の施設敷地内なので成程予算の関係ねと納得。

そこも小さく一階は倉庫にかつて映画やドラマで使用された宇宙船や軍艦などが所狭しと、本当に倉庫内にそれこそ無理矢理詰め込んだ印象で驚いた。展示というよりも単なる収納。

二階は写真スポット用に作られた奥に行くほどスケールが小さくなるセット、ドラマ用に製作された大きな建物のミニチュア、そして奥に小さな映写室という造り。

それにしても不便な場所で車でないと来られない場所だし、何故円谷部分と一緒にして、ある程度大きな場所で、鉄道駅からほど近い場所で展示すれば無料ではなく金払うのにと残念に感じた。

アーカイブセンターでは時間が合い、映写室で鑑賞した短編映画には、皆が感動した。

須賀川市では「特撮塾」なるものを開講しており、その3期生よる作品「フェザーロン 須賀川と古の唄」が無料上映されていた。

市内の学校に通ったり在住の中高生を集めプロの指導を受けながら、着想から脚本、「着ぐるみ」、街のセットや出演、編集まで全てを手造りして13分の本編と15分のメイキングにしてあるもの。

本編は昔のわらべ唄に関連し、古の巨大怪鳥が現代に蘇って須賀川市を襲うという内容。

メイキングでは、現在は独りないし少人数で作る「YouTube」、「Tiktok」などが完全主流であるが、それとは違い一から皆で意見を出しつつ構築していき、にこやかにその過程を見守るプロの大人たちが映しだされた。

その結果、達成感なりが得られたと青少年参加者の笑顔を貰い感銘を受けた。

というのも自分の学生時代が甦ったから。小学校から地元の映画館に通い、高校で「映画研究部」に入ってから8ミリで映画製作を続け、大学でも同じように打ち込んで感動した時代に逆行し、涙さえ溢れそうになった。

中高生と大人たちの一体感は、ある種スポーツとは違う、勝ち負けに関係のない感動をくれると。

今回も温泉に浸かり、仲間らと騒ぎ、若かりし頃の思い出が再生されるという実に楽しい旅であった。

こういう経験があるからクセになる、ある種、麻薬のようなものと感じた旅。

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