今回の都々逸。
「義理のせつなさ情のつらさ ほろり湯島のこぼれ梅」
タイムリーな一節(ひとふし)を選んでみた。この『湯島のこぼれ梅』とは東京の上野に隣接する受験の神様と呼ばれる湯島天神を指す。
その中に二ヶ所の梅園が存在し、丁度受験に絡む春先の時期に毎年『梅まつり』が催される。
この都々逸は報われないというか、成就しない恋をする水商売系の女性が詠んだものだろうか。
恐らくだが酸いも甘いも噛み分けた来たであろう女性は男の心意気や不甲斐性も経験済みと推察する。
そうったタイプに、こう思われるのはどのような男なのかと憧れる。粋でもないし、二枚目でもない自分には縁遠いから。
それでも、湯島天神を取り入れるなんぞ、「落ちない」「滑らない」といった『験担ぎ』をも取り入れているのも粋だと感じる。
しかも春の訪れを意味する花でもあるし、この女性も自分にもすぐ春が来てくれたらと願を掛けているのかもしれない。
こういうところに行間を読むという大人の嗜みというか、余裕があるのだろうね。
尤も、こぼれ梅という調味料も存在する。みりんの残りからできるものらしくて、「みりん粕」とも呼ばれる。
そちらだと「残り物」とか「カス」とも取れるが。
そんなことを連想する自分だから、やっぱりモテる対象ではなかった。確かに地位や名誉に金銭があってこその『大人』であって、売れないミュージシャンや役者に入れ込むタイプでも、もっと若い相手が対象だろう。
どの道、白梅紅梅のように縁起ものでもないし、毎年同じ時期に咲ける花は羨ましいね。
もう、受験なんぞに関係ない歳。後は早く生涯が落ちないように祈るだけだね。


