いよいよ年末か。その前のクリスマス・プレゼントでもなかろうが、DVDレンタルショップ渋谷店から割引クーポンが来た。1作品110円だ。
これは待ってましたである。ここで扱う作品が、まだまだ残っているし、そこにしか在庫がないのだ。だが、スマホではないので画面をかざして自動会計が出来ず、結局、クーポン券を印刷して持参する方式。
ところが今のノートPCはプリンターとの接続未設定でプリントアウト不可。しかも自分で設定できないから残念。
つまり、PCを店舗まで持参して提示するしかない。一度地元店で挑戦したが、店内でフリー回線が拾えず、画面表示不可で泣く泣く帰宅した。
それ以来、クーポンが来ても躊躇したし、一度は4本以上レンタルで自動割引適用を信じ、電車賃までかけて行ったが、何と「準新作」「旧作」どちらか同一4作品でときやがった。見たいのは混合で、個別に4作品すつは貸出し中もあり無理だった。つまりはトラウマになったのだ。
こうなると意地である。なので今回は、渋谷までPCと無線ルーターを持参してのレンタル挑戦と相成った。
久方振りの渋谷でもあり、時間は売るほど有り余っている。そこで地下鉄一日乗車券を買い、ご無沙汰している神保町なり、閉店候補のランチ店も行ってみるかと。
先ず、在庫確認したレンタル品を借りに渋谷へ。車内もスクランブル交差点も人流が戻っていて、全員が颯爽と普通に闊歩。都心ではコロナは完全収束かよ。
ビデオ3本とDVDを3本で660円也。ビデオって結構重かったと思い出す。それから半蔵門線一本で行ける神保町へ流れた。
映画関係書籍を専門に扱う古本屋。4年以上は来てなかった。懐かしいパンフレットやポスターが展示販売され、独特だが心地良い「紙の匂い」が淀んでいる。
昨今ネット・オークションではかなり値段が暴落しているが、店舗では、まだまだそれなりの値段だ。目ぼしいものはなく、ひと安心。やはり衝動買いはしたくない。
ところが書籍で発見。しかも文庫本なのに2200円表示。自分の中では文庫本や珍品以外は50〜100円の印象。一時期に比べパンフレットは暴落しているのに、こっちは値上がりか。
でも、自分の価値観は完全に平成以前で止まっていると再確認。パンフなど3分の1に価値が減額し、当時、ひと財産と多寡を括っていたコレクターズ・アイテムが紙くずてな値段でネット落札だ。
2200円か、逡巡しながら店内を歩くと、ネットで「お気に入り」に放り込んである書籍を発見。おいおい、それはネットより安いぞ。
また迷う品が増えた。その横には同じ著者の自分の知らぬ本まで並んでる。
元々お笑い芸人で、後に脇役になる「益田喜頓」の著書。今時、この名前を知る人がどれほどいるかは謎だが、はるか以前、彼は地元に居住しており、実家タバコ屋の常連客だった。
粋でダンディで、信号の反対側に佇んでいても、その存在が解る老紳士で、彼以上のお洒落さんを見たことがないほど。格が違うとは、まさにこのことだと憧れたものだ。
場所柄、昔から芸人や落語家は沢山見てきた。ビートたけしなど、ストリップ劇場のエレベーターボーイをしていたときは毎日前を通り、お互いに生意気そうな奴とガンを付け合っていた。
まあ、思い出は、思い出。でもな、年の暮れに思い出すことかよと苦笑い。
それでも、苦笑いで済んだ一年だと思う年の暮れ、てか。何たって660円で映画6本も見られて年を越せるし。
今年最後の発行になります。読者の皆様に於かれましては心安らかな年末年始をお過ごしくださいませ。来年は、日本時間元旦の夜明け前に発行予定です。
今年もご愛読有難うございました。