重役室 – EXECUTIVE SUITE(1954年)

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スタッフ
監督:ロバート・ワイズ
製作:ジョン・ハウスマン
原作:キャメロン・ローリィ
脚本:アーネスト・レーマン
撮影:ジョージ・フォルシー

キャスト
ウォーリング / ウィリアム・ホールデン
ショウ / ヴレデリック・マーチ
ダドリー / ポール・ダグラス
マリー / ジューン・アリスン
ジュリア / バーバラ・スタンウィック
オルダースン / ウォルター・ピジョン
エヴァ / シェリー・ウィンタース
キャズウェル / ルイス・カルホーン
グリム / ディーン・ジャガー

日本公開: 1955年
製作国: アメリカ MGM作品
配給: MGM & セレクト


あらすじとコメント

今回もウィリアム・ホールデン主演作。社長の椅子を巡る重役たちの権謀術数を描くサスペンスに満ちた人間ドラマ。

アメリカ、ニュー・ヨーク全米第三位の家具メーカーのワンマン社長が、出張先のNYで突然心臓発作を起こし急死する。ところが、その時一人で居た彼は何者なのかは通りすがりの人間らにはまったく分からず、身元不明者として病院へ搬送された。

その社長は直前、地方にある本社宛に今夕6時に緊急の重役会を開くので役員を招集せよ、との電報を打っていた。電報を受け取った社長秘書は、すぐさま一番若い製造部門担当ウォーリング(ウィリアム・ホールデン)、財務担当ショウ(フレデリック・マーチ)、営業担当ダドリー(ポール・ダグラス)ら5名の役員に連絡をした。

誰もが突然の招集に何があるのかと想像を巡らすが、結局、理由は解らず。ところが、予定開始時時刻になっても社長は帰社せず、会議は流会となった。

しかし、NYで直前に社長と別れた社外取締役は、社長が救急車で運ばれるのを目撃していて・・・

ワンマン経営者の急逝から権力抗争が一挙に噴出する人間ドラマの力作。

大手家具メーカーの役員たちは、それぞれ愛人問題や、社長との軋轢、家族問題を抱えている。

そんな中で、社長と二人三脚で経営してきた役員が次期社長には順当だが、本人は高齢で引退を発表する寸前だった。

財務担当は、株主最優先で合理化を推し進めていて、やる気満々。そしてNYで社長の急逝を知り、即座に持ち株を空売りした社外取締役。

営業担当も人当たりは良いが、秘書と不倫中であり、出張を反故にしてまで愛人宅にしけ込んでいる。

そして、創業者の娘で経営には一切参画していないが、長く社長と恋仲であった大株主女性。

主人公は熱い気持ちもあるが、時期尚早と思われている。

結局、誰にも問題アリなのだが、この中から新社長を決定しなければならない。

脅したり、懐柔しようとしたり、それぞれの思惑が交錯するが、狡猾な財務担当が一歩リードする展開となっていく。確かに、大企業に於いては、営業畑よりも総務、財務系が牛耳る方が上手くいくと言われることもある。

そうった丁々発止の人間ドラマを何とも豪華な役者陣で繰り広げる。実力派の脇役が勢揃いし、役員の男たちの他にも、女優陣もカラーが違い、ある意味、豪華。

役者は全員がそれぞれの役どころを理解し、咀嚼して演じているので、固唾を飲みながら引き込まれる。

ほぼセリフだけで進行する展開で、会話劇の秀作「十二人の怒れる男」(1957)に通じるサスペンス、そして次期大統領候補戦に群がる権力志向の人間らの駆け引きを描く「最後の勝利者」(1964・未)に通じる、息詰まる展開で、まったく飽きさせない。

ただ、落としどころが大正論なので、些か興を削ぐのは致し方ない。それでもサスペンスに満ちた進行を心掛けたロバート・ワイズのシャープな演出は上手いと感じる佳作。

余談雑談 2021年10月2日
いよいよ飲み屋行脚が再開だ。既にというか、当然ながら昨日から台風など関係なく数店へ突撃。 先ずは、酒類再販開始許可時刻の11時に最長電波塔近くのとんかつ屋でランチへ。ところが、まだ開いてない。横なぐりの雨が打ち付ける中、行列は嫌いなので、反