季節は進む。進まないのは骨折の改善状況。
先立ての定期検診でレントゲン画像を見ながら女医さんは、いつもの調子で「相変わらずね」だ。問題は長期化でボルトのネジが劣化し破損すること、と脅すことは忘れない。まあ、祈るしかないですなと返答。
それでも季節は進む。それにTV番組の内容も様変わりだ。地上波は、MCやコメンティターの若返りが顕著になった。
一方で、視聴層が中高年以上のBS放送は依然とヴェテラン勢が頑張っている気もする。
その中では芸人のソロキャンプ番組が好きで録画までしている。そもそも愚痴ばかり言うホスト系の一発屋芸人の立ち位置だったが、今やキャンプだったり、海外の駅前食堂と自身の冠番組が続いているのも面白い。
去年、骨折手術後の入院中に初めて該当芸人の『貴殿の歯磨き粉』動画をPCで見たが、妙な違和を覚えた。
人気稼業らしく、子供がなりたい職業の上位に入るものらしいが、やはり年代的には単純に頷けぬ。
確かに、登録者数がどれほど多いとかで紹介されるし、それが立派なビジネス業態なのだとも知ってはいる。それ用のソフトや編集プロもいるらしいが、どうしてもパソコンで見ると無理矢理感が勝った。
何が違うのかと考えたら、すぐに閃いた。作業に携わる「プロ」の質とセンスだろう。
やはり機材も専用で、カメラマンによる意識的なショットの多用と、絶妙のタイミングで入るインサート・カット。特に画像の鮮明さは違う。
それが小さな画面で楽しむ簡単個人表現と、TVや映画といった大きさの違いだろうか。どうしても、そこに個人的嗜好を上乗せしてしまう。
番組内容も、人見知りを公言する彼は一人で行くスタイルで、見栄えの良い美味そうな料理よりも、焚き火の着火方法とかを細かに紹介するのも新鮮だった。
確か、俳優の渡哲也も随分と前から「趣味は焚き火」と言っていた。あの揺らぐ炎とパチパチと弾ける音は癒し効果があるともいう。
自分は、間違ってもキャンプなどには行かないし、焚き火もしない。そもそも車の運転もしないし、そんな場所に行ったら朝から缶ビールは手放せない。一人で設営から撤収までして、運転して帰宅する行程は不向きだ。
結局、キャンプには行かずに、TVで見るのが精一杯。
ただ、幾種も登場する着火方法のシーンは、放火犯を増加させないかと心配になるのは、こちとらの心が狭いだからだろうが。
何だ、季節と違って、心の改善は進まないのかよ、とか思ってみる。
さあ、心の浄化するために今からこそっと温泉に行ってこようっと。