テレマークの要塞 – THE HEROES OF TELEMARK(1965年)

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スタッフ
監督:アンソニー・マン
製作:S・ベンジャミン・フィッツ
脚本:アイヴァン・モファット、ベン・バーズマン
撮影:ロバート・クラスカー
音楽:マルコム・アーノルド

キャスト
ぺデルセン / カーク・ダグラス
ストラウド / リチャード・ハリス
アンナ / ウーラ・ヤコブソン
ヒュッテ / マイケル・レッドグレイヴ
フリック少佐 / アントン・ディフリング
テルボベン / エリック・ポーター
ローガン教授 / バリー・ジョーンズ
クーツ将軍 / ロバート・エアーズ
ウィルキンソン / マーヴィン・ジョーンズ

日本公開: 1965年
製作国: イギリス、アメリカ コロンビア作品
配給: コロンビア


あらすじとコメント

カーク・ダグラス主演作で今回は戦争アクション。しかも前回紹介した「スパルタカス」(1960)でキューブリックに監督交代したアンソニー・マンが再挑戦した作品。何か因縁めいた気もする、原子爆弾製造を阻止するレジスタンス活動がメインの活劇アクション。

ノルウェー、リュウカン1942年ドイツ軍占領下。ドイツ軍高官らが重水製造工場を訪れ、重水の実験段階から実用化へ舵を切れとの厳命が下った。

その情報を得たレジスタンス幹部ストラウド(リチャード・ハリス)は、大学のペデルセン教授(カーク・ダグラス)に情報提供した。驚いた教授は、慌ててストラウドに渡英したいと依頼する。しかし、事は簡単ではない。それでもどうしてもイギリスに行き、アインシュタイン博士たちと相談をしなければならないと。

ペデルセンは、ドイツが原爆製造に着手したと察知したのだ・・・

ドイツの原爆製造を阻止を目論む英雄たちを描くアクション作。

核分裂研究が米英より進んでいるドイツ。

もし、先に原爆が開発されると連合国側は敗北すると確信した上層部は、重水工場爆破を決定。

その作戦に狩りだされる主人公らを描く内容である。

重水工場爆破は実際にあった作戦行動であり、それを膨らませた原作二作を映画化したもの。

なので、かなり盛っている内容で進行していく。

雪深い山岳地帯がメインなので移動はスキー。当然、レジスタンスだけでは遂行は無理なので、イギリスからプロの破壊部隊を送り込もうとするが、そう簡単に進行しないという艱難辛苦が待ち受ける。

冒頭の船で渡英するサスペンスから、戻ってからの想定外の問題続出など練られた進行。まあ、ご都合主義前提の進行ではあるが。

何せ、主役はカーク・ダグラスなので大学教授のくせに殺人も厭わず軽やかに遂行したり、ドイツ軍相手に平然と嘘が付ける腹の座り様である。

成程、これぐらい冷静で冷徹なタイプでないと工場爆破を指揮する英雄にはなれないだろうが。

それを受けるリチャード・ハリスの演技も、若い頃の彼が得意とした「向こう見ずで青臭いツッパリ青年」役なのでバランスは取れている。

無駄を省き、進行をソツなくこなしていくアンソニー・マン演出も手練れ感がある。

真冬のノルウェーという戦争映画としては異質な場所で展開されるので、両軍大部隊によるバトルという派手さはない。

大自然の中でのスキー場面など、どこか観光映画的極北さを喚起させるのも妙味だろうか。

しかも工場爆破が最後の見せ場ではないのも意匠的には凝っているとも感じた。

次から次へと、ゆっくりとしながらもサスペンスが続く戦争アクション。

余談雑談 2021年3月6日
東日本大震災から10年である。区切りなのだろうか、TVでも当日の津波映像を多く流すようになった。 暫く自主規制していたのだろうが、やはり、見ると鮮明に思い出すので嫌な気持ちが優先してしまう。 たかが10年かもしれぬが、それでも東京以西の小学