余談雑談 2021年2月13日

声優の森山周一郎逝去を知った。昔、『昭和9年会』というタレントたちの集団に入っていたはずだから、86歳か。

この会は錚々たるメンバーである。石原裕次郎、長門裕之、佐藤充、藤村有弘、坂上二郎、大橋巨泉、藤村俊二、愛川欽也などで、流石に有名どころが多い年代。存命では財津一郎、宝田明、作家の筒井康隆などがいる。

TVなどで森山の訃報を紹介した時は代表作はアニメ「紅の豚」(1992)。しょうがないか。

個人的には何といってもジャン・ギャバンがベスト。特に「ヘッド・ライト」(1956)のギャバンは、何と森山が20代、30代、40代と三度もアテたと語っている。確かに、ギャバンといえば森山以外がイメージできない。

昔のTVでの洋画放送は吹替えでカット版が主流。なので昔から吹替にも興味があり、どの俳優には誰が一番適役かと『フィックス』声優がいたっけ。

ところが、局というか、吹替制作会社のディレクターの好みで決めるのでスティーヴ・マックィーン、ロバート・レッドフォードなど、混乱することもあった。それでもギャバンはどの局でも森山周一郎だった気がする。

ただ、テリー・サヴァラスやチャールズ・ブロンソンに関しては疑問符が付く。それと一部のスペンサー・トレーシーも。

意外に好きなのは「荒野の七人」(1960)のブラッド・デクスター。解らなくはないが苦笑したのは「グランプリ」(1966)での三船敏郎。

海外TVドラマでは「華麗なる世界」(1969〜70)でレスリー・ニールセンをアテていて、後に「裸の銃〜」シリーズでコメディ演技を見たときに、森山のイメージが吹き飛んだのも鮮明に覚えている。

昔の声優同様、本来は脇役専門の俳優で、しかも顔付きや声質から悪役専門だった。一度、羽田空港で森山本人を見掛けたことがある。

声のイメージとは違い決して大柄ではなく、ただ、ダンディーでダブルのスーツにルイ・ヴィトンの大きめのブリーフケースを持っていた。それなりの貫禄で歩いていたが、自分以外にも誰か気付いたのだろうか。

長らく彼の声を聞いてなかったが、CMなどでは活躍していたのかな。もう昔の声優系で現役で活躍しているのは羽佐間道夫ぐらいだろうと感じると、寂しくなる。

昨今の映画の吹替は、元来アニメ系に憧れて専門学校に入り、そこから映画に鞍替えしているようなイメージが強く、何ともフィット感がない。特に昔の作品を今風な声優がアテなおした作品は強く感じる。

まあ、この20年ぐらいは普通の俳優たちもスタイルや歯並びが良すぎて時代劇は全く似合わないと感じるしな。

これは、進化、なんだよな。

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