土曜は貴方に – THREE LITTLE WORDS(1950年)

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スタッフ
監督:リチャード・ソープ
製作:ジャック・カミングス
脚本:ジョージ・ウェルズ
撮影:ハリー・ジャクソン
音楽:アンドレ・プレヴィン

キャスト
カルマー / フレッド・アステア
ルビー / レッド・スケルトン
アイリーン / アーレン・ダール
ジェシー / ヴェラ・エレン
コープ / キーナン・ウィン
カーター夫人 / グロリア・デ・ヘヴン
ヘレン / デビー・レイノルズ
ヒーリー / カールトン・カーペンター
テリー / ゲール・ロビンス

日本公開: 1954年
製作国: MGM作品
配給: MGM


あらすじとコメント

前回の「ザッツ・エンタテイメントPART2」(1976)にも登場したフレッド・アステア作品にする。王道ミュージカルの内容である芸人らのバックヤードを描く作品。

アメリカ、ニュー・ヨーク1919年の頃。作詞や脚本も手掛けるカルマー(フレッド・アステア)は、ジェシー(ベラ・エレン)とコンビを組む人気ダンサーでもあった。

ところがチャレンジ精神旺盛な彼は舞台袖で見た手品に興味を持った。当然、そうなればコンビでのダンスは疎かになる。それが面白くないジェシー。それでも、思い付きで他を顧みずにことを進めるカルマーは、手品ショーのアシスタントとしてプロ野球選手を夢見るルビー(レッド・スケルトン)を臨時で雇った。

しかし、奔放と言えば聞こえは良いが、ドジで抜けたところが多いルビーによってショーを台無しにされ、結局解雇されてしまい・・・

実在した作詞作曲家の名コンビを描くミュージカル作。

興味を惹かれると猛進する作詞家と野球命の作曲家。

ミュージカルの典型である『ボーイ・ミーツ・ガール』ならぬ「ボーイ・ミーツ・ボーイ」という少し同性愛的な友情譚。そこに微妙な温度差で絡む女性陣。

冒頭からアステアのダンスシーンがあり、いかにも絶好調として幕を開ける。相棒役は名コメディアンであるレッド・スケルトン。

ただし、やはりアメリカ人と日本人の笑いのツボは違うと感じさせるタイプでもある。

ベラ・エレン演じるアステアの相手役も、彼の性格に困惑しながらも、そちらは典型的「ボーイ・ミーツ・ガール」として進行する。さらに、スケルトンの方も、女性問題で紆余曲折がある展開。

ストーリィも、一応、練られているので飽きない展開と進行。登場する楽曲では、本作がほぼデビューのデビー・レイノルズがコメディエンヌとして歌う「貴方だけに愛されたいのよ」が印象的。とはいってもマリリン・モンローが「お熱いのがお好き」(1959)で歌った方が断然有名だろうが。

しかし、世にでたのはこっちが先。だからか、「ザッツ・エンタテイメントPART2」で、これ見よがし的に登場させたのかと勘繰ってしまった。

確かにデビー・レイノルズは、その場面だけの登場だが、2年後に歴史的名作「雨に唄えば」(1952)でヒロインに抜擢されるのだから興味深い。

色々と詰め込んである娯楽作だが、やはり圧倒的なのはアステアの存在感。

特に、常に自身が気を使った衣装に関しては、カラー作品ということもあり、実に、見事。エレガントな立ち振る舞いとダンス場面の妙。衣装の色遣いや、小物の差し色も絶妙で、感嘆しきり。

しかも、ラストでは脇に回るのだから、確信犯的だとも感じた。

ただし、相手役のベラ・エレンは上手いのだが、アステアの相手としては、微妙に何かが違うと感じさせたのが残念。

それでも、面白い作品である。

余談雑談 2021年1月2日
年が明けた。東京は晴天だが、気温が下がり昼間でも風の冷たさを感じる。 他の場所では雪の酷い地域もあり、警戒が呼び掛けられていて気をもむ人も多いのだろう。 まさか、この感じが今年全般のイメージを象徴しているなんてことはないだろうな。 年末は東