武器の報酬 – A PRIZE OF ARMS(1962年)

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スタッフ
監督:クリフ・オーウェン
製作:ジョージ・メイナード
脚本:ポール・ライダー
撮影:ギルバート・テイラー
音楽:ロバート・シャープレス

キャスト
ターピン / スタンリー・ベイカー
スワヴェク / ヘルムート・シュミット
フェーナー / トム・ベル
グレン伍長 / トム・アダムス
リーヴス軍曹 / アンソニー・ベイツ
メイナード一等兵 / ポッドニー・ビュウェス
ワディントン中尉 / リチャード・ピッドレイク
デイ / ダグラス・ブラックウェル
ブロディ / フランク・コード

日本公開: 1964年
製作国: イギリス ライオン・インターナショナル作品
配給: サミット映画


あらすじとコメント

1960年代初頭に乱造気味だったイギリス製白黒アクション・スリラーで繋げる。B級感漂う、どこか力業が優先された作品。

イギリス、西サセックスとある基地で軍隊の大規模な海外派遣が決定し、移動準備が開始されていた。

元軍人のターピン(スタンリー・ベイカー)は、これに乗じて基地で保管されている海外携行用の現金強奪を計画。仲間には爆発物に詳しいポーランド人スワヴェク(ヘルムート・シュミット)と若いトラック運転手のフェーナー(トム・ベル)を引き入れた。彼らは爆発物の威力や所要時間の計算など用意周到に準備を進めた。

決行当日、ワゴン車から山中の廃厩舎で隠しておいた軍用トラックに乗り換えて、緊張感を伴いつつ基地に向うが・・・

水漏れ作戦を力技で押し抜くクライムもの。

冒頭でいきなり爆破演習や火炎放射器の噴射実験など派手なシーンで幕を開ける。続いてストップ・ウオッチで実行時間を計測したりと、どれほどのプロ・チームが立案実行するのかと期待で胸が高鳴った。

一方で、緊張からリーダーが朝寝坊するとか、若者がコソコソと隠し持つブランディーを飲むなど、以後にサスペンスを盛上げるであろう伏線の数々が巡らされて行く。

当時のB級クライム作品の、ある意味で王道、別な言い回しをすれば定石通りで進行する。

そうなれば、後はストーリィ自体の設定と次々と起きていくアクシデントのアイディアが勝負である。

では、本作はどうであるか。先ず、犯行設定が凄い。海外遠征用軍資金が『あるはず』で、主計局兵舎の堅牢なる金庫に保管中だろう。だが、監視に隙ができる監視担当武官の交代時間が『わからない』。

ならば早朝より基地に潜入し、自分らでできる仕掛けを設置設定し、後は主役持ち前の『話術』で基地内を歩き回って情報収集。

これではイギリス映画お得意のブラック・ユーモアに溢れたコメディを想像される御仁もいるだろうか。

だが、さにあらず。いたって真面目に進行するのである。きっと、この派手な場面を挿れようとか、あのサスペンス・シーンを描きたいというアイディア先にありきで、そこへ繋げるために後から無理矢理ストーリィに入れたという感じである。

要はどこか『仲良しママゴト映画』の印象。ただし、画面割りやカット繋ぎなど、一応、緊張感溢れるシーンが連続する。その点では及第であるが、かなり粗っぽいのも事実。

あまりにも都合良く基地内に潜入したり、どの軍関係者たちも簡単に騙されたりとか、現金を強奪した後に、当然、警戒厳重になった基地内からいかに脱出するのかといった作戦も、主人公たちを無事に助けてやるために軍人たちが、わざと隙を作り、まるで協力者がいるかのような間抜けな言動が相次ぐ。

そして、この手の犯罪アクション作は『悪銭身に付かず』がセオリー。

さてさて本作では、どんなオチが待っているのだろうか。

そこまで行く進行は、新人監督であったクリフ・オーウェンは妙に上手いが、やはり、そこにB級感溢れる『突拍子の無さ』という力技に唖然とさせられる。

でも、確実にこの手の映画にはファンがいるんだよな。確かにカルト臭はあるので。

余談雑談 2022年2月26日
ある意味、羨ましい。「勇気」やら「感動」を貰える人。特にスポーツ系の名場面などで聞く言葉。 どのぐらい前からかスポーツ系は一切見ないし、してもこなかった。学生時代も嫌いで、なぜ疲れることをしたがるのか理解に苦しんだ。要は自分のようなへそ曲が