ネバダ・スミス – NEVADA SMITH(1966年)

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スタッフ
監督:ヘンリー・ハサウェイ
製作:ジョセフ・E・レヴィン
脚本:ジョン・マイケル・ヘイズ
撮影:ルシアン・バラード
音楽:アルフレッド・ニューマン

キャスト
サンド / スティーヴ・マックィーン
フィッチ / カール・マルデン
コード / ブライアン・キース
ボードリー / アーサー・ケネディ
ピラー / スザンヌ・プレシェット
ニーサ / ジャネット・マーゴリン
コー / マーティン・ランドー
ビッグ・フット / パット・ヒングル
ザッカルディ神父 / ラフ・ヴァローネ

日本公開: 1966年
製作国:アメリカ ソーラー・プロ作品
配給: パラマウント


あらすじとコメント

「ビッグトレイル」(1965)で、ウィスキー搬送隊を率いたヴェテラン俳優ブライアン・キース。TV出演も多く「ニューヨーク・パパ」(1966~71)での認知度が高いか。そんな彼が、実に味のある脇に回った西部劇。捨て難い異色作でもある。

アメリカ、ネヴァダ白人の父と先住民の母の間に生まれたサンド(ステーィヴ・マックィーン)は、大自然の中で伸び伸びと育つ青年だった。

ある日、フィッチ(カール・マルデン)、ボウドリー(アーサー・ケネディ)、コー(マーティン・ランドー)の三人に両親の家を尋ねられた。他人を訝ることをしない彼は素直に場所を教えた。ところが、彼らは家に行くと両親を惨殺。

帰宅し惨状を目の当たりにした彼は茫然とし、家に火を放った。これで天涯孤独の身となった。ウサギしか撃ったことがないサンドだが、両親を惨殺した三人のことは覚えている。そして彼は復讐を誓った。

一丁のライフルと馬一頭で故郷を捨て、犯人探しを始める。しかし、何を頼りにしてよいか解らぬまま、武器商人のコード(ブライアン・キース)と知り合った。話を聞き、先輩として人と対峙する心構えや、生き延びる知恵をコードから授かるサンド。

そして、とある町でコーを発見して・・・

怨念と執念で両親の敵討ちに命を懸ける青年を描く異色作。

純朴な青年が復讐鬼と化す。一人目とはナイフで死闘を繰り広げ何とか倒すが、自分も重傷を負う。

そして二人目は刑務所に入っていることを知るや、自身も犯罪者となり服役。ただ、そこで単純に殺さないという、実に執念深く、嫌なタイプに変貌している。

不良少年だったマックィーンの面目躍如といったら失礼かもしれぬが、それほど見事に主人公を演じている。

一人目を倒してからの顔付きの変化など、実は演技が上手い俳優だとも確信するだろう。

何度も窮地に追い込まれるが、都度美女に救われる展開も、マックィーンなら当然だとも感じさせる。

それに脇を固める、味方のブライアン・キースから、敵役のカール・マルデン、アーサー・ケネディといったヴェテランがそれぞれ違うキャラクターで映画に厚みを与えている。

そもそも本作は「大いなる野望」(1964)のスピンオフ作品。とはいってもモデルは主役でなく「シェーン」(1953)など、西部劇俳優として有名なアラン・ラッドが演じた脇役の方である。

この主人公はラッド自身が再演したいと熱望したが他界してしまった。

そう考えるとアラン・ラッドからマックィーンかと何とも不思議な感覚に陥る。「大いなる野望」を見ていれば、『ネバダ・スミス』の若かりしき頃の姿にマックィーンが重ならないからである。

ただし、けなしているのではなく、実に別なキャラクターとしてハマリ役だと思うからであるが。

純朴な青年からどのような鬼になり、最後はどこに落ち着くのか。

俳優陣の好演や、ヘンリー・ハサウェイ監督の手慣れた作劇により、長く印象に残る作品だと感じる。

余談雑談 2020年9月12日
懐かしい奴からメールが来た。中米コスタリカでピザ屋を営むイタリア人の親友である。 確か、東日本大震災の直後にお見舞いの連絡が来たが、それ以来、音沙汰無しだった。 コスタリカは、自分が最後に行った海外であり、当時やっとピザ屋の商売が軌道に乗っ