梅雨入りの中、やっと退院だ。もっと居ても良かったかな、てな気分になるのが珠に瑕の性分だが。
それでも、退院に拍車をかけたのは、昨今の病室では冷蔵庫まで課金だったことと寝巻とタオルを毎日交換するでもないのに、日割りで金がかかるという、選択肢や交渉の余地がない事実。
とはいえ、日に何本も冷えた缶飲料を買ったり、使ってもいないバスタオルを無理やり交換しろと命じるのも粋じゃない。
でも、どうせ金使うならと10枚入りのDVDボックスを買い、持ってきてもらった。結果、入院中に34本ばかり映画鑑賞と相成った。
まあ、これだけ集中して本数を稼いだのは、月刊誌の連載仕事があったライター時代以来のことかも。妙に、思い出して少しセンチな気分にもなったが。
ただし、セットは大体同じ系統の作品ばかりなのでジャンルが偏ったのは飽きる要因とも感じた。
拾いモノが少なかったのは残念だが、それだって1作品当たり150円ぐらい。
その代わり、当然だが、課金のTV放送は、一切見ず。同室の患者さんたちは、仕方なく日がな課金テレビを見ていたが、こっちはPCを持ち込めたことが幸い。
なので、テレビ放送としてはネットで東京超ローカルの朝と夕方の報道系番組だけは無料視聴できたので、それは欠かさず見てみた。
後はネットの文字ニュースで充分な気がした。入院前は、ザッピングしつつ色々と見ていたが、朝から晩まで同じニュースに同じようなコメントする一方通行で、結果、テレビ報道など、大して必要じゃないのだとも再確認した。
コロナ騒動さ中に入院して退院の頃には「東京アラート」や「不要不急の外出」など、聞かない日常になっていた。
看護師さんに尋くと、通勤も随分と戻ってきているとか。編集の仕事も、流石に退院したら行かなくてはならない。
今までは10分以上、家からバス停へ歩き、降りたバス停から編集部とまた歩いたが、すぐには無理だよな。
まあ、松葉杖でのリハビリも練習中だが、そんなに歩けるか。それでも二本足歩行の感覚は懐かしい、とも確認はできた。
だが、季節は梅雨。傘ってどうするのよ。リハビリさんに尋いたら利用不可能と即答。
となれば、あれか。来年に延期とか言いながら中止に決まってそうな五輪用に開発された編み笠的雨傘。
招致大反対を標榜してきた手前、魂を売るようで嫌だな。
やはり、梅雨明けまで仕事は無理か。えい、どうせなら、梅雨明けまで入院生活続行か。
でも後一ヶ月はある。酒は飲みたいよね。