スタッフ
監督:ビリー・ワイルダー
製作:ポール・モナシュ
脚本:B・ワイルダー、I・A・L・ダイヤモンド
撮影:ジョーダン・S・クローネンウェス
音楽:ビリー・メイ
キャスト
ジョンソン / ジャック・レモン
バーンズ / ウォルター・マッソー
ペギー / スーザン・サランドン
モリー / キャロル・バーネット
保安官 / ヴィンセント・ガーディニア
ベンシンガー / デヴィッド・ウェイン
ウィリアムス / オースティン・ペンドルトン
クルーガー / アレン・ガーフィルド
マーフィ / チャールス・ダニング
日本公開: 1975年
製作国: アメリカ B・ワイルダー・プロ作品
配給: CIC
あらすじとコメント
ビリー・ワイルダーで続ける。主演は黄金コンビと呼び声高きジャック・レモンとウォルター・マッソー。特ダネ命の記者たちが繰り広げるコメディ。
アメリカ、シカゴ1929年のこと。刑事裁判所内で、翌日の執行が決まった死刑囚用の絞首台設置工事が開始されていた。そこの記者クラブでは絞首時にどんな写真が撮れるかが、各社の悩みのタネでもある。
その一社エグザミナー紙の編集長バーンズ(ウォルター・マッソー)は、花形記者のジョンソン(ジャック・レモン)に秘策を与えようとしていた。しかし、彼の姿は編集部はおろか、裁判所内のどこにもない。慌てるバーンズだが、突如彼が洋々と現れると、結婚を決めたから今日で社を辞めると宣言。何とか引き止めたいが、一応新人記者に担当させ、考えようと決めた。
ジョンソンは記者クラブに顔をだし次第を打ち明けると、仲間たちからの祝福の宴が始まってしまう。
一方、所内で精神科医による死刑囚の臨床実験が始まるが・・・
特ダネ命の記者たちが繰り広げるコメディの佳作。
警官殺しで翌日の死刑執行。記者たちは当然ざわついている。
ところが花形記者は運命の出会いとばかりに結婚を決め、退職希望。何としても引き止めたい編集長は姑息やら狡猾なる手段を用いて引き止め工作を画策。
そこに死刑囚の情婦呼ばわりされて記者クラブに乗り込んでくる鉄火肌の女性が加わる。当の死刑囚も気弱で、とても警官殺しを犯すようなタイプには見えない。その二人の意外な関係性も浮かんでくる。
記者たちも剛腕やら、ひねくれ者など様々。しかも裁判所内で精神鑑定医が死刑囚に銃を渡して犯行現場を再現させようとするから、話はまったくもってヘンな方に転がりだす展開。
元々は舞台用戯曲である。1931年に「犯罪都市」として映画化。そしてハワード・ホークス監督によるスクリューボール・コメディの傑作「ヒズ・ガール・フライデー」(1940)が作られ、更にリメイクに当たるのが本作。
しかも、後にも「ブロードキャスト・ニュース」(1987)としてリメイクされている。
それほどオリジナルは傑作なのである。しかもワイルダーが好みそうな内容で、そこにもってきてのレモンとマッソーの黄金コンビ。
脇役も当時のクセモノ揃い。設定も大恐慌下で、人の心が荒んでいる時代。
それをコメディとして描く。スラプスティック的ドタバタ場面もあり、シチュエーション・コメディとしても次から次へと上手い展開を見せて行く。
やり過ぎ感も散見するが、それでも立派なコメディである。