別に元に戻せば済む話だが、昨年末から自室で飲む用珈琲豆の新規開拓に、火が点いている。
まあ、半分はここで書くネタ探しも兼ねつつ、カフェ経験者の30代の知人に尋いたら昨今は、自家焙煎コーヒーの再ブーム中で、何を今更かと。
何だ、自分も流行の後追いかと思いつつ、紅茶よりは珈琲だもんな。
で、中途半端な旅行気分で400gも買い求めた豆は、酸味が強くて再購入はパスと決めた。それに、東京の西側は自分の性分に合わない気もするし、できるなら徒歩圏内で、と。
先ず、無理にこじつけてるなと思う「日本のブルックリン」と呼称される『蔵前』に、その手の店が増えているとも聞いたので、キーワードを打ち込んでみた。
すぐに数件がヒット。一軒は、何度か前を通過したことがある店。手始めに、そこからだな。
成程、今風な店という印象。近くに安宿でもあるのか、外国系の人間から、近所の若い勤め人ばかり。
メニューはチャートに銘柄を張り付けるスタイル。何十年も勉強を怠ってきて、豆の銘柄が変わりすぎてダメ。そもそも世界中で豆が取れるようになったのかと驚いた。
しかし、自室で飲むのはその店のブレンドと決めている。ストレート豆よりも個性と感性を味わえるから。ところが、スペースの関係か、豆自体は見えるように展示していない。
もしかして日光で酸化が進むとかいうのか。で、店員に「苦い」「コク」の高めのブレンドを店内で飲むと。
ところが出てきたのは自分の味覚とは全く違う印象。これで「やや深煎り」か。
で、豆も切れたので仕方なく、説明を聞き、更に深い焙煎のブレンド100gを買い求めた。
しかも、透明ビニール袋に入れるのではなく、密封のジッパー付きで光遮断の袋に入れてくれた。
だが、個人的にこのやり方は恐怖を感じる。ここでも、豆自体を見ていない。かといって一見で入った店で、税務署でもないのに、ズカズカと豆を検査するから見せろと脅迫はできまい。
自分の思い描くロースト色に仕上がっているのか、はたまた更に違う色合いかの確認もできない。多分に『こだわり』が強すぎて、『押し付けがましい』気がする。
きれいな内装に、店員も清潔感のある白系の自然素材のようなシャツ。ナチュラル志向が嫌というほどわかる。
時代だろうし、汚いよりも断然良いのは事実。それに惹かれる人間も多いし、ビジネス形態としても合格。ただし、個人的には誤解を承知で言うが、どこか宗教臭を感じもした。
間違っても鯨の缶詰など、絶対置かないような店舗。どの道、帰宅して開封するまで、向こうの説明のみ。
結果、まったく口に合わず。焙煎は「フレンチ」ぐらい深いかと確認したつもりだ。自分の記憶では、それより2段階ほど浅い焙煎にしか見えなかった。
早速、次を探さないと。そして、次に行った店で昨今の流行と現実を知ることになるのだが。
まあ、それはまた近いうちに。