クロスボー作戦 – OPERATION CROSSBOW(1965年)

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スタッフ
監督:マイケル・アンダーソン
製作:カルロ・ポンティ
脚本:リチャード・イムリー、デリー・クィン
撮影:アーウィン・ビアー
音楽:ロン・グッドウィン

キャスト
カーティス中尉 / ジョージ・ペパード
ノーラ / ソフィア・ローレン
リンダーマン教授 / トレヴァー・ハワード
ボイド将軍 / ジョン・ミルズ
ヘンシャウ / トム・コートネイ
ブラッドレー大尉 / ジェレミー・ケンプ
サンディス / リチャード・ジョンソン
バンフォード / アンソニー・クェイル
ジーマン将軍 / ポール・ヘンリード

日本公開: 1965年
製作国: イタリア C・ポンティ・プロ作品
配給: MGM


あらすじとコメント

前回では、野望に燃え伸し上がろうとする男を演じたジョージ・ペパード。そんな彼が、次に主演した意匠の変わった戦争映画。

イギリス、ロンドン徐々に戦況は連合軍優位になっていたが、ロンドンへの空襲が続き、更にドイツが新型ロケットの製造に着手したとの情報が入った。

それを事実だと確認した英国政府は、更なる情報を得ようと任務に精通した特別グル─プを編成した。「クロスボー作戦」と任命され、選ばれたのはアメリカ陸軍中尉カーティス(ジョージ・ペパード)、オランダ海軍のヘンシャウ(トム・コートネイ)、英国人でロケット開発の科学者ブラッドリー(ジェレミー・ケンプ)の三人。

潜入するに当たり三人は行方不明者や死亡者の名を騙ることになった。何とか敵地への潜入に成功するが、ヘンシャウが使用した偽名が官憲の手配者の名前で・・・

珍しい展開を見せる戦争アクション。

特別任務の命を受けた三人が度重なる困難に翻弄されながら遂行しようとする、ある意味、王道的内容。

例えば、主役が変装した相手の妻が登場してきて面通しされたり、手配犯の名前を使用したことから窮地に陥ったりと『ひねり』を効かせた進行。

それぐらいは事前調査しろよと突っ込みを入れたくなるかもしれぬが、第二次大戦下の敵地で精査はできないか。

監督はイギリス出身で「80日間世界一周」(1958)などを手掛けたマイケル・アンダーソン。チョイ役にも、イギリス戦争映画常連で、ご贔屓のトレヴァー・ハワード、ジョン・ミルズ、アンソニー・クェイルなどの豪華キャストを起用し、音楽もイギリス戦争映画常連のロン・グッドウィンである。

かなり期待した作品でもあった。ただし、それだけ監督を筆頭にイギリス映画系を起用しているのに、実は本作はイタリア映画である。

成程、主演はアメリカのジョージ・ペパードだし、主人公が偽名を騙る男の妻役はソフィア・ローレン。結果、かなり違和感があった。

だが、事実がそうであったように大戦初期は敗走というか、辛勝とか勝利できない戦いが多く、「戦場にかける橋」(1957)に代表されるように『負け戦』を丁寧に、且つ、騎士道精神を感じさせるイギリス映画に敬意を表しているとも感じた。

ただし、本作の違和感は戦勝国イギリスが、敢えて負け戦を描いたのとは違い、敗戦国イタリアの開き直った迎合だとも感じた。

実話からインスパイアされたと謳っているが、何とも背中が痒くなり、やがて胃に異物が流れ込んだ印象がある。

艱難辛苦の果てに大成功というところに集約しないもの「ひねり」なのだろうか。

戦争とは残酷で無常という真っ当な事実を、戦争アクションとミスリードしていく内容に違和感を覚えた観客も多いだろう。

何よりもイギリス系スタッフとキャストを起用しながら、どうにもイギリスらしさを感じさせない進行と内容に、イタリア製らしい大雑把さと、悪い意味での「大らかさ」を感じさせる不思議な感覚に陥った。

だが、どこか日本の特攻精神を感じた観客には、妙に心動かされる作品ではあろう。

ストーリィの整合性から、筋運びに矜持を感じないのもイタリア製らしい。

かといって、大嫌いな作品でもないところに妙な印象を持った。

余談雑談 2020年2月1日
別に元に戻せば済む話だが、昨年末から自室で飲む用珈琲豆の新規開拓に、火が点いている。 まあ、半分はここで書くネタ探しも兼ねつつ、カフェ経験者の30代の知人に尋いたら昨今は、自家焙煎コーヒーの再ブーム中で、何を今更かと。 何だ、自分も流行の後