裸足のイサドラ – ISADORA(1968年)

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スタッフ
監督:カレル・ライス
製作:ロベール&レイモン・アキム
脚本:メルヴィン・ブラッグ、C・エクストン
撮影:ラリー・バイザー
音楽:モーリス・ジャール

キャスト
イサドラ / ヴァネッサ・レッドグレーヴ
クレイグ / ジェームス・フォックス
ロジャー / ジョン・フレイザー
シンガー / ジェーソン・ロバーズ
エリザベス / リビー・グレン
マリー / シンシア・ハリス
ブガッティ / ウラジミール・レスコバ
ダンカン夫人 / ベッシ─・ラヴ
ダンカン / トニー・ヴォーゲル

日本公開: 1970年
製作国: イギリス アキム・プロ作品
配給: ユニバーサル


あらすじとコメント

名優ジェイソン・ロバーズ。彼が、当時のいかにものアメリカ大富豪役を演じた作品にする。主役は実在した名ダンサーで、彼女の波乱に満ちた人生を描くドラマ。

フランス、コート・ダジュール40才を過ぎたダンサーのイサドラ(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)が自分の半生を綴る伝記本出版のために滞在していた。

有名人である彼女は、天性の芸術家らしく、気分屋で直情型。知り合いから彼女に興味があるという人間たちを紹介されるが、一瞬にして気に入らないと罵倒するような女性だ。

そんな折、偶然、カフェで寛ぐ一人の男性に興味を持った。ところが、彼女の周囲の人間は誰も彼の素性を知らない。それでも、彼女は以後も理想の男性だと言い続ける。

仕事は仕事と、口述筆記者に己の過去を話し続け・・・

波乱に満ちた実在の天才ダンサーの生涯を描く力作。

それまでのクラシカルなバレエや形式や様式美的舞踊を嫌い、即興で情熱的なダンス・パフォーマーとして生きていく女性。

ギリシャ神話に影響を受け一枚のローブだけで踊り、全裸になることも厭わない。

20世紀初頭ではアナーキスト扱い。それでも自分の湧きでるパッションを漲らせ周囲を圧倒していく。

私生活でも14歳にして絶対に結婚はしないと決めるが、恋愛は別とばかりに舞台装置家、アメリカの大富豪、ソ連の若い左派系詩人など、不倫から出産まで、実に感性の赴くままに生きる。

時代を先取りしたかのごとく、奔放で好き放題の人生を歩む姿は、ある意味、壮絶であり、実に波乱に満ちた半生として描かれていく。

「現代舞踊」の創始者でもあり、見事なまでに変わり者だったらしく、カメラやジャズなど、自分も最先端を行っていたくせに、一般的な流行を嫌ったと言われる。ゆえに彼女のパフォーマンスは、隠し撮りされた、ごく僅かしか現存していない。

そんな女性を見事に演じた主演のヴァネッサ・レッドグレーヴが圧倒的に凄い。

特に何度も登場するパッションに満ちた壮絶なダンス・パフォーマンスは、本当にそう踊っていたであろうと納得させる出来栄え。

そういう舞踊は、彼女の激情型の性格ゆえということが理解できるし、何かが憑依したか、降臨してきたと身の毛もよだつ壮絶さだ。

半生も実に波乱に富み、業界にありがちの同業者から、実在するミシンの大手メーカーの社長との不倫と出産、そして子供を亡くし、アナーキスト扱いに失望し、ソ連に行ったりと感性の赴くがままに奔放に、だが、懸命に生きた姿を現在と回想というスタイルで綴られていく進行。

事実がそうであったように、彼女の突然死まで、実に劇場型というか、周囲に自分がどう映るかよりも、個人としての自分を最優先する生き様ゆえの終焉は、まさしく斯くありなんと感じさせる。

時代の寵児であり、破滅型でもあり、それでも自己最優先という芸術家らしい生き様は、できれば知り合いになりたくないタイプとも感じる。

しかし、だからこそ、歴史に名を刻む人間だったのに違いない。『壮絶』が正にピタリとハマる伝記映画。

余談雑談 2019年3月9日
この前、高校時代の仲間たちと地元で宴会を催した。 自分は映画館へ通い過ぎて留年し、元々の同期は高3の時。付属校であり、大体が大学推薦も決まっていたリタイア組。 そこで当時から大好きで吹替え放映をカセットテープで録音していた、未成年者の殺人容