明日に向って撃て! – BUTCH CASSIDY AND THE SUNDANCE KID(1969年)

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スタッフ
監督:ジョージ・ロイ・ヒル
製作:ジョン・フォアマン
脚本:ウィリアム・ゴールドマン
撮影:コンラッド・ホール
音楽:バート・バカラック

キャスト
パーカー / ポール・ニューマン
ロングボー / ロバート・レッドフォード
エッタ / キャサリン・ロス
ギャリス / ストローサー・マーティン
アグネス / クロレス・リーチマン
ブレッドソー / ジェフ・コーリイ
ウッドコック / ジョージ・ファース
メイコン / ドネリー・ローズ
マーシャル / ケネス・マース

日本公開: 1970年
製作国: アメリカ ヒル&モナッシュ・プロ作品

配給: 20世紀フォックス


あらすじとコメント

ロバート・レッドフォードとポール・ニューマンの共演にした。有名作として名高い、西部劇の態で描かれるアメリカン・ニュー・シネマの秀作。

アメリカ、コロラドブッチ・キャシディことパーカー(ポール・ニューマン)とサンダンス・キッドことロングボー(ロバート・レッドフォード)は、小さな銀行を襲う強盗コンビである。

彼らは新たな銀行に目を付けたが、今までのように簡単ではないと感じたパーカーは躊躇する。そんな折、別な仲間から列車強盗を持ちかけられた。やったことがないが、一度に大金が手に入ると手を組み、大成功を収める。

しかし、所詮あぶく銭であり、湯水の如く使い困窮する始末。パーカーは、いつまでもこの手の強盗では先が見えていると南米ボリビアに行こうと考えていた。そこは金や銀の鉱物資源に恵まれた地で、アメリカ以上に強盗がしやすいと。そこでロングボーの恋人でスペイン語教師のエッタ(キャサリン・ロス)を仲間に引き入れる。

しかし、南米に行くにはやはり資本が必要だと再び同じ鉄道を襲った。ところが、鉄道側は超強力な追手団を組織しており、襲撃直後に彼らに襲いかかって来た。他の仲間はあっという間に殺され、二人は何とか逃げ延びるが、追手は執拗に彼らを追ってきて・・・

西部劇の歴史を変えたニュー・シネマの良作。

知恵者だが、腕はからっきしの男。相棒は銃の名手で名が知れ渡っている。しかし、所詮はちんけな強盗。

そんな彼らが現在の生活に行き詰まり感を持ち、考えを巡らすが、結局、落とし所は異国の地での強盗。

確かに、ジェシー・ジェームスを筆頭に、悪役が主役の西部劇は多く作られてきた。

しかし、本作が異色なのは、悪党なのに、無暗に人を殺さないとか、ニュー・シネマ特有の設定でもある、どこか等身大の人物たちということ。

そこに女性が絡んでくる。当然、彼女も悪党なのであるが、それすら心底の悪党として描かない。

かといって、絶望的劣悪環境から強盗になってしまったという悲劇性もない。強烈な個性はないが、感情移入がしやすいキャラクターたち。

そこに本作が良作たるゆえんの一環があるとも感じる。服装も当然、汚れているし、脂が浮き、無精髭も伸びていて、実に汚らしい脇役たちに漂うリアリティも、娯楽西部劇は過去の産物であり、そこもリアルな等身大を描くニュー・シネマっぽい。

しかも、使用される音楽もいかにものウエスタン調でもなく、かなり異質。しかし、それが完全なる西部劇なのに、妙にマッチする画面構成と編集の妙。

そういった異質さが際立つのに、西部劇としての哀愁も漂わせ、実に複雑な感覚に陥った記憶がある。

久し振りに再鑑賞したが、色褪せていないことに驚嘆した。スタッフ、キャストが一丸となり、違和感なく漂う瑞々しさは見事としか言いようがない。

それこそ、時代を超え、映画史上に残る作品であると再確認した。

リアルさとお伽噺的進行を融合させた歴史的作品である。

余談雑談 2019年1月26日
寄る年波か。記憶力に衰えを感じた。 先立て、編集部での仕事を早めに切り上げバスを乗り継ぎ、実家から1キロ程度の場所まで戻ってきた。 所用のためだが、5分で済むので、昼食をビールと共に摂るかとも考え、目的地近くに何かないかと。2時に程近い時間